バリ島マックダイビング・スポット紹介|マクロ・レア生物の世界
バリ島には、インドネシアでもトップクラスのマックダイビングが楽しめるダイビングスポットがあります。
太平洋火山帯に位置するこの島は、火山灰やミネラル豊富な海水を潤しているため、海洋生物にとって理想的な生息地となっています。
黒い火山性の砂地のエリアは、マックダイビングに最適な環境です。
マックダイビングは、サンゴ礁が広がるトロピカルなダイビングとは異なる魅力があり、マクロ派ダイバー・フォト派ダイバーとって最高のダイビングスタイルでしょう。
ここでは、「マックダイビング」の解説と、バリ島のマックダイビングのスポットを紹介します。
マックダイビングってなに?
「マックダイビング」は、火山活動がある沿岸地域の泥や堆積物(たいせきぶつ)の多い海底を探求するダイビングです。
「マック(Muck)」とは、泥など水底に堆積した物質のこと。
海底は黒砂で覆われ、ウミエラ、シダ類、そして壊れた桟橋、小さなリーフや岩が点々としています。水中には、ガラクタや海に流れ込んだ生活ゴミも点在し、これがマクロ生物やレアな生き物たちの隠れ家となっています。
この特有な環境は、驚くべき生物多様性を育んでいるんです!
マックダイビングでは、黒砂の上を這いつくばってマクロ生物や珍しい生き物を探します。
これらは、水中写真家や異色の生物に興味をダイバーにとっては、楽園と言えるでしょう。
マックダイビングはただ小さなマクロ生物を探すのではありません。
特定の環境で、マクロ生物を含めた珍しい水中生物を探し、じっくり観察するのに焦点を当てています。
ここで重要なのは、優れたガイドの存在です。
経験豊富なガイドの目が、海底に隠れた驚きの世界を見つけてくれます。
バリ島マクロ・マックダイビングスポット一覧
バリ島は、その立地から、さまざまな海洋生物が生息しています。
マックダイビングを楽しめる場所は、島の北西部、北部、北東部や東部に広がり、世界中からマクロ派・フォト派ダイバーが集まります。
バリ島では、「マクロポイント」と呼ばれるほとんどの場所が「マックダイビング」のスポットを指します。
場所 | ダイビングポイント | 人気 |
---|---|---|
トランベン周辺 (Tulamben) | リバティレック・マクロ (Liberty Wreck Macro) | |
プリ・セガラ (Pura Segara ) | ||
チャンティック Cantic | ||
ムラスティ Melasti | ◎ | |
ビックツリー Big Tree | ||
クアンギ Kuangi/Agung | ◎ | |
バリハイ Bali Hai | ||
スラヤ Seraya | ◎ | |
タイサンピ Taisampi | ||
バトゥニティ Batu Niti | ◎ | |
シデム Sidem | ◎ | |
ブラカン Bulakan | ◎ | |
ティガロン Tigaron | ||
グロンボン Gerombong | ◎ | |
バトゥ・リンギット Batu Ringgit | ◎ | |
アメッド (Amed) | ゴーストベイ Ghost Bay | ◎ |
アメッド・ムラスティ Amed Melasti | ◎ | |
アメッドの沈船周辺 arpimd shipwrek | ||
アメッドシークレット (勝手に付けた名前) Amed secret | ◎ | |
パダンバイ | ジェティ(桟橋下) Jati | |
プリジャティ (Puri Jati) | プリジャティ | ◎ |
シークレットベイ (Secret bay) | シークレットベイ | ◎ |
黒砂の海底は、半端ない種のウミウシが生息し、ヨコシマエビやタイガーシュリンプのような珍しいエビ、様々なカエルアンコウ、ボロカサゴ、ミミックオクトパスやゼブラバットフィッシュなど、他ではなかなか見られない生物が住んでいます。そして、バリ島には、世界で数か所でしか見られない固有種もいます
トランベン周辺
トランベン周辺はバリ島マックダイビングの中心地であり、海外沿いに16か所以上のマックダビングスポットがあり、
新しスポットも発見されています。
それぞれ独自の特徴があり、見らえる生物も若干変わってきいます。季節によって見られる生物が変化するのも面白いです。
例えば、ミヤビウロコウミウシやヨコシマエビはシデムでしか見たことがありません。フリソデエビはスラヤ以外でも見られますが、全てのポイントで見られるわけではありません。タイガーシュリンプもその一例です。
写真をクリックするとブログ・動画が表示されます
※MAX DIVEのYoutubeチャンネルに沢山動画をアップしてます!
アメッド
アメッドは、トランベン周辺ほどマックダイビングのスポットはありませんが、引けは取りません。
珍しいウミウシはもちろん、ミミックオクトパス、ヘアリーフロッグフィッシュ、ヌディアンテナリウス・サブテレス(通称レンベフロッグフィッシュ)、ヘアリーシュリンプやゼブラバットフィッシュも現れます。
不思議なことに、サザナミフグやモヨウフグの幼魚は見られますが、成長した個体は見られません。
パダンバイ
パダンバイでは、ジェティ(桟橋)の下をメインに潜ります。
柱につくウミウシ、泳ぐカエルアンコウ、ホウセキカサゴやニシキフウライウオなど、狭い範囲にレアな生き物が潜んンでいます。
プリジャティ
プリジャティは、北西部ペムテラン(Pemuteran)にあります。
サヌールから車で約3時間の場所です。
南部リゾートから離れていますが、古くからマックダイビングで有名な場所です。
ヘアリーゴーストパイプフィッシュ、ヘアリーフロッグフィッシュ、ミミックオクトパスやワンダーパスも見られます。コテングノハウチワが生息しているため、ホホベニモウミウシなどオオアリモウミウシ属も多く見られます。
シークレットベイ
シークレットベイは、バリ島を代表するマックダイビングの1つ。
インドネシアの3か所でしか見られない固有種バンガイカーディナルフィッシュが生息します。
これを見に、フォト派ダイバーに限らず、ここに足を運ぶダイバーはいます。
ピクチャードラゴネット、ウミウシ、ニシキフウライウオ、ミミックオクトパス
なども見られます。ラッキーだったらボンボリイザりウオに遭遇できるかも?
マックダイビングのマナーガイド
マックダイビングは、黒砂の上を這いつくばって珍しい生物を探すダイビングです。
多くの場合、水中写真に熱心なダイバーや興味のあるダイバーが参加します。
その為、このスタイルのダイビングにはいくつかのマナーや注意点があります。
1.砂を巻き上げない
- 不注意で砂を巻き上がると視界が悪くなり、せっかく見つけた生物を見失ってしまう可能性があります。
- 写真を撮り終わったら、慎重なフィン使いで他のダイバーの視界を妨げないように移動しましょう。
- 水中移動中は、できるだけフィンを上げておくといいでしょう。
2.水中でのダイビングの手順を理解する
- マックダイビングでは、一般的にガイドが生物を見つけたら、ダイバーは順番に近づきます。
- 写真を撮る際、時間がかかることもあります。その場合は、他のダイバーは別の被写体で写真を撮り順番を待ちます。被写体には困る事がないので、焦ることはありません。
4.生物を驚かせない
- マックダイビングは、ドリフトダイビングのスタイルとは真逆で、じっくり生物を観察するスタイルです。
- 慎重に生物と向き合うと、その生物特有の変わった動きも見られます。
- 生物を驚かせるような行為はマナー違反ですね。
5.ダイビングポイントの特徴を知ってから潜る
- マックダイビングは、一見なにもいないような水中を潜るのため、どんな生物を探するのかを事前に知っていた方が、その生物を見つけやすいです。
- たまに、ガイドがミクロ生物を見つけて知らせても、あまりにも小さくて何をみているのか分からない方もいます。事前にその場所で見られる生物の写真や動画を見ることで、貴重な経験を無駄にすることなく、被写体が映える写真がとれるかと思います。
6.残圧をこまめにチェクする
- 写真を撮るのに夢中になると、残圧チェックを忘れがちになります。
- 水中では、減圧不要限界を超えないように注意しましょう。
※ナイトロックス/エンリッチド・エアを使用することで、通常のエアよりも、一定の深度でより長い時間潜ることが出来ます。マックダイビングをする際は、ナイトロックス/エンリッチド・エアでのダイビングを推奨します。