ボロカサゴ|巧みなヒレ使いと大きな口、レアな魚を探ってみた
ボロカサゴをご紹介します!
ボロカサゴはバリ島でもレア度の高い魚。
見た目のインパクトもさることながら、変わった行動をします。
例えば、
胸ビレと腹ビレを巧みに使い海底を這うように移動。
大口を開けてあくびをしたり、獲物を丸ごと飲み込みます。
ダイバーなら一度は見てみたい、ボロカサゴを探ってみました。
ボロカサゴってどんな魚?
ボロカサゴ属の仲間は6種類います。
バリ島で見られるのは主にボロカサゴとホウセキカサゴ。
【ボロカサゴ属6種類】
スズキ目フサカサゴ科ボロカサゴ属
和名 | 学名 | 英名 |
---|---|---|
ボロカサゴ | Rhinopias frondosa | Weedy Scorpionfish |
ホウセキカサゴ | Rhinopias eschmeyeri | Paddle-flap Scorionfish |
レーシースコーピオンフィッシュ | Rhinopias aphanes | Lacy Scorpionfish |
ナミダカサゴ | Rhinopias argoliba | Argoliba Scorpionfish/ Japanese Scorpionfish |
和名無し | Rhinopias Cea | Cea’s Scorionfish |
ニセボロカサゴ | Rhinopias Xenops | Strange-eyed scorpionfish |
ボロカサゴはスズキ目フサカサゴ科で、バリ島でよく見かけるハダカハオコゼの仲間。
背びれの棘に毒素を含み、敵から守ります。
(ダイビング中に遭遇する有毒魚達「カサゴの仲間)
色のバリュエーションが豊富で、黄色、白、紫から濃い赤までさまざまな色が生息。
彼らは、数週間ごとに脱皮をし、脱皮時に色が変わると言われています。
個性的な見た目と行動
ボロカサゴは個性的な見た目で、一度みたら忘れない種類の魚です。
見た目や生態に特徴的な点が多々ありますが、ここでは4つご紹介します。
1.大きな背びれと胸びれ
体の大きさに対し、異常に大きな背ビレと胸ビレ。
2.体中に沢山の皮弁(ひべん)がある
ボロカサゴは、体に皮弁(ひべん)という皮膚が変化してできた毛状突起(もうじょうとっき)が沢山あります。
目の上の巨大な眉毛みたいなのも皮弁。口周りを含め、体中にみられます。
皮弁の役割は未だ不明。
ただ、体中に皮弁があることで周囲の環境と調和し、身を守っていると言われています。
彼らはカモフラージュが上手
ボロカサゴは英語でWeedy Scorpionfishと言います。
Weedyは雑草と言う意味。
体にある皮弁を雑草に見立て名づけられました。
3.巧なヒレ使いで水底を這うように移動
ボロカサゴは泳ぎが苦手な魚です。
底生魚で、ずっと海底に接して生活しています。
一般的に魚のヒレは、水中で泳ぐためとバランスをとるための役割があります。
泳ぎが苦手な魚は、胸ビレや腹ビレを足のように使って移動します。
動画を見るとわかりますが、大きな胸ビレの先にある尖った棘(きょく)と、腹びれを上手に使って海底を這うように移動しています。
胸ビレが前足、腹ビレが後ろ足のように見えるね
3.口を大きく開き、獲物をまるごと飲み込む
彼は大きく口を開けて、あくびをしたり、獲物を飲み込みます。
口を開けたボロカサゴの写真が無いので、こちらは仲間のホウセキカサゴの写真です。
(※ホウセキカサゴは皮弁が少なくつるっとした感じです)
彼らは待ち伏せ型の捕食者。
獲物が集まる場所に移動し、好物の魚や甲殻類が目の前を通るのをじっと待ちます。
ボロカサゴは歯が無い!
ボロカサゴは歯がないから、獲物を丸ごと飲み込む。
大口を開けたときに生じる吸収力によって獲物は口の中に吸い込まれます。
大口を開けてあくびをする理由は分かりませんが、ボロカサゴやホウセキカサゴのあくびシーンはフォト派ダイバーに人気があります。
いつ、どこで会えるの?
今年は、8月にクブ地区にあるダイビングポイントGerombongでホウセキカサゴに遭遇。
そして、11月にトランベンのムラスティで黄色の(黄金色)のボロカサゴに出会いました。
バリ島では滅多に見ることがありませんが、たまにトランベン方面やパダンバイに出没してくれます。
決まった時期に決まった場所にいれくれたらいいのですが、ダイバーの都合通りにはいきませんね。
偶然、水中で彼らを見付けると、直ぐにダイバーの間で話題になります。
彼らは突然現れて消える。
どこから来て、どこへ行くのか、分かりませんが、また来年も会いたいですね。