バリ島トランベンのマクロダイビング|ウミウシとカエルアンコウ

バリ島トランベンでマクロダイビング、カエルアンコウ祭りにウミウシ

バリ島トランベン周辺にあるマクロポイント、ムラスティ、アグン、シデムを3日間じっくり巡ってきました。

体長はずか1.5~2cmほどの愛くるしいカエルアンコウや、色とりどりのウミウシたち。 中には初めて遭遇した個体もいれば、見分けるのに苦戦する種や、名前が分らないものもいました。さらに、ユニークなエビ・カニや、毒を持つ「カサゴ類」まで、多彩な主役たちが登場してくれました。

トランベンの海は、行けば必ず「濃い生きもの」に出会える場所です。

それでは、ゲストが撮影したお写真も交えてご紹介します。

目次

カエルアンコウ:小さくても存在感たっぷり

まずは、可愛らしいカエルアンコウから。
どの個体も体調1.5~2cmぐらいのサイズでした。
(ダイビングポイント:Melasti/ムラスティ)

イロカエルアンコウ (英名:Painted frogfish)は色のバリエーションが豊かな魚です。

イロカエルアンコウ,Antennarius pictus, Painted frogfish
イロカエルアンコウ
イロカエルアンコウ、Painted frogfish,Antennarius pictus
イロカエルアンコウ

クマドリカエルアンコウ (英名:Warty frogfish) の名前は、歌舞伎の「隈取(くまどり)」に由来します。
白地に赤模様の個体はまさにその名の通りですが、黒色の個体だと、自慢の模様が少し分かりづらいですね。

クマドリカエルアンコウ,Antennarius maculatus , Warty frogfish
クマドリカエルアンコウ
クマドリカエルアンコウ,Antennarius maculatus , Warty frogfish
クマドリカエルアンコウ

オオモンカエルアンコウ (英名:Giant frogfish)のおチビちゃん。こんなに小さくても、大きく口を開ければ自分と同じぐらいのサイズの魚を丸呑みできちゃうんです。見た目は愛らしのに、その捕食能力はまさにハンター。
オオモンカエルアンコウの幼魚は他種(特にイロカエルアンコウ)との違いが分らず、最終的に魚のIDコミュニティで確認してもらいました。

オオモンカエルアンコウ,giant frogfish、Antennarius commerson
オオモンカエルアンコウ

レンベフロッグフィッシュ(Nudiantennarius subteres)、背びれの付け根にある「目玉模様」が特徴

レンベフロッグフィッシュ,Nudiantennarius subteres
レンベフロッグフィッシュ
レンベフロッグフィッシュ,Nudiantennarius subteres
レンベフロッグフィッシュ

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ウミウシ:奥深さに驚く小さな世界

水中に溢れる極小ウミウシたちの中で、今回初めて出会ったのが、マーフィドーリス・コブイです。
体長わずか数ミリ。肉眼ではたたの「白い点」にしか見えませんでした。

マーフィドーリス・コブイ、 murphydoris cobbi
マーフィドーリス・コブイ
Murphydoris cobbi

ウサギモウミウシもまた、極小ウミウシです。コテングノハウチワというハート型の葉っぱのような海藻を、一枚一枚丁寧に見ていくと、彼らやその仲間が見つかります。バリ島では比較的よく見かけるウミウシですが、写真はグルグルと円を描いた卵塊の横にぽつりといて、とても可愛かったです。

ウサギモウミウシ,costasiella usagi
ウサギモウミウシ
Costasiella usagi

キイッポンウミウシもまた、極小ウミウシ。大きさは1センチほどでした。
ちょうど卵塊の上に乗っているシーンに出会えました。

キイッポンウミウシ、Mexichromis trilineata
キイッポンウミウシ
Mexichromis trilineata

ゾウゲイロウミウシによく似ていいますが、この個体はヒュプセロド―リス・イバかもしれません。
ウミウシの世界でもDNA解析が進み、以前はゾウゲイロウミウシに含まれていた個体群の一部が、2018年にヒュプセロド―リス・イバという別種として記載されました。ウミウシの洗礼は、なかなか奥が深い。

ヒュプセロド―リス・イバ、Hypselodoris iba ウミウシか?
ヒュプセロド―リス・イバ?
Hypselodoris iba ?
サンドラミノウミウシ、Unidentia sandramillenae
サンドラミノウミウシ
Unidentia sandramilenae
ガヒミノウミウシ、Facelina sp
ガヒミノウミウシ
Facelina sp.
シロタエイロウミウシ,Glossodoris buko
シロタエイロウミウシ
Glossodoris buko
ラベンダーウミウシ、Thorunna halourga
ラベンダーウミウシ
Thorunna halourga
ドーナツマツカサウミウシ, Doto greenamyeri Shipman
ドーナツマツカサウミウシ
Doto greenamyeri
マツカサウミウシ属の一種、Doto sp.
マツカサウミウシ属の一種
Doto sp.

ニシキウミウシ属の中には、和名に「〇○ニシキウミウシ」と付く種がいくつかあります。
いずれも体色や模様のバリュエーションが豊かで、同じ種でも印象が大きく異なるため、見分けるのがなかなか難しい仲間。

そんな中、ニシキウミウシテヌウニシキウミウシを見分ける方法の一つに、「突起の数」があります。
ニシキウミウシは、背中の大きな突起一つ、そして体側の丸い突起が1対。目立つ突起は合計3つです。
一方、テヌウニシキウミウシは体側の突起が2対あり、

ニシキウミウシ,Ceratosoma trilobatum
ニシキウミウシ
Ceratosoma trilobatum
キカモヨウウミウシ、Goniobranchus geometricus
キカモヨウウミウシ
Goniobranchus geometricus

エビ・カニ類:名前の由来も面白いユニークな仲間たち

ワレカラという、カマキリの様な見た目をした生きもの。
実は甲殻類で、エビやカニの仲間です。
透き通った体をしているので、英語では「スケルトンシュリンプ (skeleton shrimp)と呼ばれています。

ワレカラ、Caprellidae, skeleton shrimp
ワレカラ
Caprellidae

キンチャクガニは両方のハサミに毒のあるイソギンチャクを付け、左右に振る姿がポンポンを振るチアリーダーのように見えることから、「チアリーダー」とも呼ばれています。また、ボクサーが拳を構えているようにも見えるため、「ボクサークラブ」とも呼ばれているユニークなカニ。キンチャクガニとイソギンチャクはお互いに利益をもたらす共生関係にありあす。

キンチャクガニ boxer crab, lybia tessellata
キンチャクガニ
Lybia tessellata

トゲツノメエビの和名は、目の上に刺のような突起があることに由来しています。
英語ではSpiny tiger shrimpと呼ばれ、Spiny(棘のある)、Tigerは (トラ)を意味します。体や頭部に棘(とげ)状の突起があり、体の模様がトラのようにみえることから名付けられました。

また、オラウータンクラブも、体を覆うフサフサした毛がオラウータンのように見えることが名前の由来です。
生きものたちの名前の由来を知るのも、またひとつの楽しみですね。

トゲツノメエビ、phyllognathia ceratophthalma
トゲツノメエビ
Phllognathia ceratophthalma
オラウータンクラブ,Oncinopus sp.、Orang-utan crab
オラウータンクラブ
Oncinopus neptunus

カサゴ類:お初お目見えの珍しい種

ウミウシの写真を撮っていたら、ふと横に面白い顔の生物がいました。
シャープな目つき、唇に赤リップを塗ったような口元。「なに、この魚?」と思わず一枚、写真をパシャリ。

あとから調べてみると、シラユキカサゴ。オニカサゴの仲間で、どうやら珍しい種のようです。

アンボンスコーピオンフィッシュ, Pteroidichthys amboinensis
アンボンスコーピオンフィッシュ
Pteroidichthys amboinensis
シラユキカサゴ, scorpaenopsis obtusa
シラユキカサゴ
Scorpaenopsis obtusa

トランベンの海は、まだまだ奥深い

今回ご紹介したのは、トランベンで出会えたほんの一部。

まだまだ紹介しきれない主役たちが、この海にはたくさん暮らしています。
次回のダイビングはでは、どんな顔ぶれにあえるのでしょうか!

小さな生きものたちとの出会いは、毎回少しずつ違う表情を見せてくれます。
その一瞬を探しに、また海へ。

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