バリ島マックダイビング|アメッドで見たマクロと奇妙で可愛い水中生物
ダイビングの楽しみ方って人それぞれですね。
透明度が良く、サンゴ礁が綺麗な海でゆったり潜りたい方もいれば、流れに乗って大きな生物や群れを見るのが好きな方もいます。また、小さな生物や奇妙で変わった生物を探して写真を撮るのが好きな方もいます。勿論、なんでも好きな方も沢山います。
ダイバーの間では自分は「マクロ派」とか、「大物派」とか、「カメラ・フォト派」とかそれぞれのダイビングスタイルや好みを分類します。
ところで、外国人カメラ・フォト派ダイバー達が良く使う「マックダイビング」って言葉をご存じですか?
「マクロ・ダイビング」と似ていますが、ちょっと違うんです。
ここでは、①マクロダイビングとマックダイビングの違い、②先週、アメッド(マックダイビング)で見た生物達をご紹介します。
マックダイビングとは
マクロフォト派ダイバーの方は往々にして「マックダイビング」を好みます。
ただ小さな生物に興味があるだけなら、バリ島ではどのダイビングスポットでも見ることができます。
パダンバイ白砂の上には数々のウミウシが生息し、少し深場へ行くと世界で一番小さなタツノオトシゴ「ピグミーシーホース」も見られます。ムンジャンガンのドロップオフにも小さなウミウシを始め、エビ、カニ、オラウータンクラブなど小さな生物達が沢山生息してます。
パダンバイでも、ムンジャンガンでもマクロダイビングはできますが、ここで言う「マック・ダイビング」とは少し違いますね。
マックダイビングとは、一見何もいなさそうな黒砂に潜んでいる小さな生物達や、他では珍しい一風変った奇妙でレアな水中生物達をじっくりと探すダイビングスタイルです。
英語のMuck diving(マック・ダイビング)の由来はMuddy(泥だらけ) とか、mucky environment(泥だらけの環境)からきてます。
サンゴ礁が広がっている様なダイビングスポットとは違い、水底は一見何も居ない黒砂。
そこに枯れた木の幹や水中植物、そして人工のゴミがある場合もあり、そこに多くの生き物達が隠れてるスポットです。
面白い事に、そこには他では珍しい水中生物達が沢山いるんですね~
バリ島で手軽に「マックダイビング」を楽しむならここ!
バリ島でマックダイビングを楽しむらな、トランベンやアメッド周辺砂地のダイビングスポットです。
火山活動が行われている土地付近から湧いてくる水はミネラルが豊富で生物達の繁殖を助けてます。まさに、マックダイビングに最高のコンディションとも言われてます。
アメッド(マックダイビング)で見た生物達
先週、アメッドに一泊してマックダイビングを楽しみました。
2日間でじっくり4ダイブ。見た生物の数が半端ないので、ここでは特に印象的だった水中生物ご紹介します。
軟体動物:タコ類
擬態の達人と言われているミミックオクトパス:砂から頭だけ出している場合が多いですが、一旦砂から出ると、
体の色や形を変える奇妙なタコです。
※ミミックオクトパスのブログ⇒「ミミックオクトパス」すごすぎる進化と常識を超えた擬態の謎
ロング・アーム・オクトパス :ここでは珍しいタコではありませんが、とっても面白い動きをしてくれました。
タコ好き私は釘付けになってしまいました。
タコは地球上で最も奇妙な生き物の1つです。3つの心臓に8つの手足。そして、独特な神経系の持ち主。
※動画はこちら
カエルアンコウ達
ヌディアンテナリウス・ザブテレス(レンベフロッグフィッシュ);今、アメッドのポイントでは外せない。
もっと小さいのも含め、数匹見かけました。
※Youtubeに動画もアップしているので見て下さい⇒バリ島カエルアンコウの季節!
こちらもヌディアンテナリウス・ザブテレスと思います。
※ヌディアンテナリウス・ザブテレスの特徴や見分け方のブログ⇒バリ島カエルアンコウのシーズン|ヌディアンテナリウス・ザブテレス
最近、必ず見かけるヘアリーフロッグフィッシュの幼魚とベニカエルアンコウの幼魚:
どちらもメッチャ小さくて可愛いです。
こちらもNudiantennarius subteres (ヌディアンテナリウス・サブテレス)かな?
ベニカエルアンコウ(Antennarius nummifer)にも見えてしまう。
エビ・カニ類
フィコカリス・シムランス(ヘアリーシュリンプ):米粒より小さい1~5ミリ程度のエビ
赤っぽいのは(探せば)結構いますが、緑はちょっとレアです。
※フィコカリス・シムランスのブログ⇒フィコカリス・シムランス(ヘアリーシュリンプ)|毛むくじゃらな小さなエビ
※フィコカリス・シムランス/ヘアリーシュリンプの動画はこちら
その他、印象に残ったのはヨコシマエビ(ZebraShrimp)
カサゴ科達
ツノカサゴ(アンボン・スコーピオンフィッシュ)
アゴヒゲオコゼ(通称:ピョコタン):じ~っとしてたピョコタン。
カサゴ類は沢山いますね~。フォトジェニックな熱帯ミノカサゴの幼魚。がっつり構えるニライカサゴ。
名前の判定が難しい、小さなカサゴ科の魚達。
※カサゴ科についてのブログ⇒ダイビング中に遭遇する有毒魚達「カサゴ目」
ウミウシ達
リュウキュウカスミミノウミウシ(Cerberilla affinis): 遠くから見ても目を引く「青と白」
後ろの方から見ていたので、一瞬フトガヤミノウミウシの仲間とされてたタルミノウミウシ(Trinchesia sp.18)かフジエラミノウミウシ属の一種 11 Trinchesia sp.11)かと勘違い。
いやいや、いる場所も違うし、ヒゲの様に長~い口触手(こうしょくしゅ)を見れば一目瞭然ですね。
口触手の間にあるのが口。彼らは口触手を使って感触を捕らえているらしい。
※口触手を大きく振りながら砂地を動いている動画はこちら
クサイロモウミウシは沢山います。
ミズタマウミウシ属の一種3:小さなエビ?カニ?がちょこんと乗ってます。葉っぱの上で気持ち良さそうに揺れてました。
※動画はこちら
ミズタマウミウシ属の一種5:ワレカラとコラボです。ワレカラの動きがとっても面白かったです。
※動画はこちら
定番のカンナツノザヤウミウシ(Thecacera sp. 1):お食事中でした。
タマシキゴカイの卵塊の中に「スナチゴミノウミウシ」を発見しました!
タマシキゴカイの卵塊に乗っかっているワレカラのバランス力と動きも面白かったです。
動画を含め、こちらのブログで紹介してます。スナチゴミノウミウシ|タマシキゴカイの卵塊に入り込み、その卵を食べる
カミソリウオ
特に印象的だったのが緑色のホソフウライウオ。周囲の葉っぱに上手く擬態してますね。
それと、近くにいたワレカラがツンツン突っつかれていました。
※動画はこちら(メッチャ可愛いですよ)
ちなみに、ニシキフウライウオ(Harlequin Ghost pipefish)ウオ(Ghost pipefish)はメッチャ沢山います。
※以前のブログで「カミソリウオ科5種類ご紹介」してます。
タツノオトシゴ
オオウミウマ:どっしりと構えてました!タツノオトシゴ属の中で最も大きく成長するらしい。
フグ達
サザナミフグとモヨウフグの幼魚:どちらも幼魚の時は可愛いですね
どちらもここでは、それほど珍しくないです。不思議なのが、ここでは幼魚は見ますが、大きな成魚の姿はあまり見ません。
大人になるとサンゴがある場所に移動してしまうのでしょうか?
※サザナミフグの動画はこちら
他にも、私の好きなセダカカワハギの幼魚や、フチドリカワハギの幼魚。
カサゴ類は沢山いますね~。フォトジェニックなネッタイミノカサゴの幼魚。がっつり構えるニライカサゴ。
ウミウシ類は、メリベウミウシ、オオエラキヌハダウミウシ,ソヨカゼイロウミウシ、オダカホシゾラウミウシなどなど・・・・
マックダイビングの虜になってしまう
バリ島でマックダイビングを楽しめるダイビングスポットの殆どが水底は「黒砂のなだらかなスロープ」
ビーチからエントリーでき、年間を通し水温は高め。思う存分、じっくり写真に集中できます。
季節によって見られる水中生物も少しづつ変わってくるので、同じダイビングスポットで何度潜っても潜り足りないって気持ちになりますね~。
トランベン周辺にもマックダイビングのポイントがあり、どのポイントもちょっと違った特徴があり、見られる生物も少し変わってきます。
ダイビングポイント周辺に泊まって、いろいろなポイントでマックダイビングを楽しむのも良いですね。
(※バリ島ダイブサファリが人気の秘密)
小さな生物や奇妙でレアな生物に興味のある方は、マックダイビングを楽しんでみませんか?
カメラ派ダイバーの方はナイトロックス(エンリッチド・エア)で潜ることをおススメします!