毒を持つ脊椎動物の50%以上が「魚類」だって知ってましたか?
海洋魚のほぼ1200種に毒があり、有毒脊椎動物の3分の2を占めているんです。
サメやエイなどを含む、軟骨魚綱(なんこつぎょこう)のアカエイは尾の内側に長くて、協力な毒棘(トゲ)を持つことで知られていますね。
一般的に「海洋魚」と言われいる条鰭魚類(じょうきるい)はどうでしょう?
ダイバーになじみの深い、カサゴ目/亜科の魚達を見てみよう!
彼らは、背びれ、腹びれ、尾びれの棘(トゲ)になどに毒を持つ魚なんです。
図鑑をみると、目、科、属、種、など、生物を分類し階級付けしていますよね。
これは、「生物分類学的階級」言い、1600年代に形づくられ,18世紀にスウェーデンの博物学者リンネ(Carolus Linnaeus)によって作られました。
ちなみに、我々人間は
「界:Kingdom」
動物界
「門:Phylum」
脊索動物門(Chordata)
「鋼:Class」
哺乳綱(Mammalia)
「目:Order」
サル目
「亜目:Sub-Order」
直鼻猿亜目(Haplorhini) ちょくびあもく
「科:Family」
ヒト科
「亜科:Sub-Family」
ヒト亜科 (Homininae)
「属:Genus」
ヒト属 (Genus Homo)
「種: Species」
ヒト(Homo sapience)
「開:Kingdom」
動物界
「門:Phylum」
脊索動物門(Chordata) Vertebrate
「亜門:Sub-Phylum」
脊椎動物亜門(せきつい動物)
「鋼:Class」
哺乳綱(Mammalia)、
鳥綱(Aves)、
両生綱(爬虫類を含む)(Amphibia)、
魚綱(Pisces)
昆虫綱(Insecta)
蠕虫綱(Vermes)
「区:Division」
軟骨魚綱
条鰭魚類 (Actinopterygii)
「目:Order」
カサゴ目 Scorpaeniformes
「亜目:Sub-Order」
カサゴ亜目 (Scorpaenoidei/Scorpaeniformes)
セミホウボウ亜目
コチ亜目
ギンダラ亜目
アイナメ亜目
ノルマニクテュス亜目
カジカ亜目
「科:Family」
フサカサゴ科 Scorpaenidae
イボオコゼ科
メバル科
オニオコゼ科 (オニオコゼ亜科)
ハオコゼ科
「亜科:Sub-Family」
(カサゴ科の亜科)
シロカサゴ亜科
ヒレナガカサゴ亜科
メバル亜科
ハチ亜科
ハオコゼ亜科
オニオコゼ亜科
ヒメキチジ亜科
フサカサゴ亜科
「属: Genus」
(フカカサゴ亜科下の属)
ノコギリカサゴ属
ヒメヤマノカミ属
エボシカサゴ属
ハナカサゴ属
カクレカサゴ属
ハタタテカサゴ属
マツバラカサゴ属
セトミノカサゴ属
ネッタイフサカサゴ属
ヒオドシ属
ツノカサゴ属
ミノカサゴ属
ボロカサゴ属
フサカサゴ属
イソカサゴ属
オニカサゴ属
マダラフサカサゴ属
ハダカハオコゼ属
フンドウカサゴ属
クマカサゴ属
【オニオコゼ】
目:
カサゴ (Scorpaeniformes)
亜目:
カサゴ亜目 (scorpaenoidei/Scorpaeniformes)
科:
フサカサゴ科(scorpaenidae)
亜科:
オニオコゼ亜科(synanceiidae)
属:
ヒメオコゼ属 (minous)
オニオコゼ属:(Inimicus)種:(オニオコゼ、ヒメオニオコゼ、Inimicus filamentosus)
オニダルマオコゼ属 (Synanceia)種: (ツノダルマオコゼ、オニダルマオコゼ)
ダルマオコゼ属:Erosa
ミノカサゴ属の仲間:優雅なヒレに毒

フカカサゴ科ミノカサゴ属
ダイビング中によく見かけるミノカサゴ。
「目」カサゴ目→「亜目」カサゴ→「科」フサカサゴ→「亜科」フカカサゴ→「属」ミノカサゴ→「種」ミノカサゴ、ハナミノカサゴ、ネッタイミノカサゴ、キリン等
カサゴと言ったら、この「ミノカサゴ属」の仲間達を思い浮かべる方も多いのではないでしょうか?
胸ビレを大きく開き、フワフワ泳ぐ姿はとっても優雅ですよね。
英語ではライオンフィッシュ(Lion fish)といわれ、欧米人ダイバーの間でとっても人気が高いです。
彼らを優雅に見せる「背ビレ」「腹ビレ」「尾ビレ」こそが危険。
背ビレ、胸ビレ、尾ビレ部分に毒棘があり、危険なヤツなんです。
バリ島でほとんどのダイビングスポットで遭遇します。
中でも最も頻繁に見られるのは、ミノカサゴ、ハナミノカサゴ、ネッタイミノカサゴなどです。
上記、写真は「ハナミノカサゴ」です。
ミノカサゴとそっくりですが、「尾びれこまかい斑紋がある」のがハナミノカサゴで、ないのがミノカサゴです。
オニカサゴ属の仲間:そっくりさんが多い

フサカサゴ科オニカサゴ属
「食べると美味しい」食卓の高級魚たちも、背ビレに毒棘をもち、危険なヤツです。
「目」カサゴ→「亜目」カサゴ→「科」フサカサゴ→「亜科」フカカサゴ→「属」オニカサゴ→「種」サツマカサゴ,ニライカサゴ,オニカサゴ等
背ビレ部分に毒を持ってます。
バリでよく見かけるのが「ニライカサゴ」
オニダルマオコゼ属のツノダルマオコゼにそっくりです。
前者は英名でFalse stone fish, 後者はTrue stone fishと呼ばれています。
偽オニダルマと本当のオニダルマって事でしょうか?
ハダハカオコゼ:擬態に毒棘・・・

フサカサゴ科ハダカハオコゼ属
「目」カサゴ→「亜目」カサゴ→「科」フサカサゴ→「亜科」フサカサゴ→「属」→ハダカハオコゼ→「種」ハダカハオコゼ( Leaf scorpionfish)
大きな背ビレが特徴。ここに毒棘が潜んでいるんです。
バリ島では珍しくなく、いろいろなダイビングスポットで見られます。
周囲の環境に合わせ擬態するので、白、ピンク、黒などのハダカハオコゼをよく見かます。
脱皮する魚として知られ、体の表皮が1枚ずつ剥がれるように落ちるんです。ボロカサゴもそうですね。
ツマジロオコゼ:背ビレに毒棘

ハオコゼ科ツマジロオコゼ属
「目」カサゴ→「亜目」カサゴ→「科」ハオコゼ→「亜科」ハオコゼ→「属」→ツマジロオコゼ→「種」ツマジロオコゼ(Cockatoo waspfish)
バリでは特にマクロポイントで見かけます。
砂地を枯葉が揺れるように、ユラユラしてます。遠くから見ると、「葉っぱ」と間違えてしまうこともしばしばありあす。
おとなしそうに見えるけど、背ビレの棘に毒があるんです。
アゴヒゲオコゼ:ピョコタンにも毒棘が・・・

ハオコゼ科アゴヒゲオコゼ
「目」カサゴ→「亜目」カサゴ→「科」ハオコゼ→「亜科」ハオコゼ→「属」→アゴヒゲオコゼ→「種」アゴヒゲオコゼ(Bearded roguefish)
ピョンピョン飛ぶので、ダイバーの間では「ピョコタン」とも言われえます。
バリでは結構レア。
とっても愛くるしい顔ですが、この子の背ビレに毒棘があります。

フサカサゴ科ボロカサゴ
ボロカサゴはダイバー(特にフォト派・マクロ派)ダイバーの憧れ!
英語だとこの属を、Rhinopias (リノピアス)と呼び、現地ガイドは「リノピアス」って呼んでます。
「目」カサゴ→「亜目」カサゴ→「科」フサカサゴ→「亜科」フカカサゴ→「属」ボロカサゴ→「種」ボロカサゴ(Weedy scorpionfish),ホウセキカサゴ(Paddle-flap scorpionfish),レーシースコーピオンフィッシュ(Lacey scorpionfish) 等
彼らもまた、背ビレに毒棘が持つんです。
バリ島でもそう頻繁には遭遇しないので、水中で出会うと「テンション」が上がってしまいますね。
オニオコゼの仲間達:かなりグロテスク
「目」カサゴ目→「亜目」カサゴ亜目→「科」フサカサゴ(オニオコゼ)→「亜科」オニオコゼ→「属」→オニオコゼ、ヒメオコゼ、オニダルマオコゼ、ダルマオコゼ→「種」各種がいる。
背ビレの棘条に毒腺があり、強力な神経毒が分泌される。
ほとんどの場合、砂地に体を埋もれさせたり、岩に擬態したりしている。
オニオコゼ属(Inimicus)
- オニオコゼ Inimicus japonicus (Devil stinger)、
- ヒメオニオコゼInimicus didactylus (Demon Stinger)
ヒメオコゼ属(minous)
オニダルマオコゼ属(synanceia) : Stone fish
- オニダルマオコゼ synanceia verrucosa (reef stonefish)
- ツノダルマオコゼ synanceia horrida (true stonefish)
- synanceia nana
オニダルマオコゼ属は、ツノダルマオコゼ、オニダルマオコゼなどがいます。
あるく魚?
オニオコゼ属(オニオコゼ、ヒメオニオコゼなど)は↓こんな風に胸ビレの「遊離軟条」を使って水底を歩くんです。
背ビレに強力な毒棘があります。
歩く魚❓海底を2本の足で歩いてるみたい😯
「胸びれの遊離軟条」を使ってるんだね😊バリ島のパダンバイで遭遇。初心者ダイバーの方から楽しめるダイブサイトです✌️#バリ島ダイビング#スキューバダイビング#ヒメオニオコゼ #inimicus #inimicusdidactylus #scubadiving #Bali pic.twitter.com/bWUotwt1WO
— MAX DIVE, Bali (@MAXDIVEBali1) August 2, 2020
こちらのかなりグロテスクなヒメオニカサゴ
顔も体もグロテスク😯
それに加え、背びれに毒を持つ。凄いやつ🤪バリ島「アメッド」、面白い👍#バリ島ダイビング #スキューバダイビング #ヒメオニオコゼ #inimicusdidactylus#spinydevilfish #Bali pic.twitter.com/OxwwPp4pGj
— MAX DIVE, Bali (@MAXDIVEBali1) August 3, 2020
オニダルマオコゼ:最強の猛毒魚

フサカサゴ科(オニダルマ)オニダルマオコゼ属
「目」カサゴ→「亜目」カサゴ→「科」フサカサゴ(オニオコゼ)→「亜科」オニオコゼ→「属」→オニダルマオコゼ「種」オニダルマオコゼ(Reef stonefish)
背ビレの棘(トゲ)にと~っても強い毒をもってます。
砂に埋もれているか、動かずじ~っとしている。
ヒメオコゼやオニオコゼのように、遊離軟条を使って水底を移動している姿を見たことはありません。
無いんだと思います。
綺麗な魚達にも毒はある
バリでのダイビングでよく見かける「フサカサゴ科」で「毒棘」をもってる魚達をまとめました。
優雅に泳ぐ「ミノカサゴ」にも、可愛らしい「ツマジロオコゼ」や「ハダカハオコゼ」にも「毒棘」があります。
水中にはまだまだ気を付けなければいけない魚達が生息してます。
いろいろ覚えて、ダイビングを楽しみましょう!
参考:
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