ダイビングを始める際に感じた疑問と不安

ダイビングの疑問と不安
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ダイビングを始める際に感じた不安:PADIアンケート

PADIが約900名のダイバーさん達にアンケート調査をした結果、「ダイビングを始める際に感じた疑問と不安」で断トツに多かったのがNo1. かかる費用No2. 事故No3. 器材を使いこなせるか(複数回答)でした。

  1. かかる費用(74%)
  2. 事故(40%)
  3. 器材を使いこなせるか(31%)
  4. 講習の難しさ(28%)
  5. かかる日数(23%)
  6. 仲間がいない(18%)
  7. ショップの入りにくさ(13%)
  8. 目が悪い(12%)
  9. 泳げない(9%)
  10. 体調/持病(6%)

(※複数回答です)

それでは、一つ一つの疑問と不安を考えてみましょう!

ダイビングにかかる費用

No.1 かかる費用:74%
ダイビングを始めたいけど一体いくらかかるの?

PADIコースにかかる費用は、本来なら基本的にどこでも大きな差はないかと思います。ただ、人件費、物価、為替などの影響により、日本と比べ海外の方が安い場合もあれば、高い場合もあります。

後は、ダイビングショップ側の方針の違いによる費用の差は生じます。

例えば、コース料金に含まれている内容です。これは確認が必要です。ぱっと見の料金」は安くても、トータルで見ると全くお得でない場合が多いと思います。

それと、海外でコースに参加されるの場合、快適なクラスルームで講習するか。 海洋実習で使用するサービス(施設)の質。ランチや使用するレストランの質。 大人数で流れ作業的な講習をするのか? 講習中にでる沢山の疑問や不安をインストラクターとじっくり日本語で話し合えるのか? アシスタントのインストラクターは同行するのか?などで費用の差が発生する場合もあります。

国内外問わず、一般的に「他社より大幅に安いダイビングショップがあったら、疑問に思って下さい」

どのような人数比でコースを開催するのか? しっかりと丁寧な講習をしてくれるのか? 料金に含まれていないものはないか? きちんと器材のメインテナンスをしているのか? など疑問は沢山あります。

どこでダイビングの講習を受けるにせよ、以下の点を確認した上でコースに参加することをおススメします!

  • ①コース料金に含まれているものと、含まれていないものを確認。トータル料金を確認しましょう。特に、講習料金に教材費やPADIへの申請料が含まれているのかでは随分の差がでます。オープン・ウォーター・ダイバーコースの料金は「①全てショップで行う」か「②一部をオンライン学習で行うか」によっても変わってきます。心配の方は、「決められた日数内でコースが完結できなかった場合、後どのぐらい追加費用が発生するのか」を確認するのも良いかと思います。海外でコースに参加される方は、コース後のサポート体制も重要な点です。
  • ②コースの人数比
    全てのPADIコースはインストラクター対生徒ダイバーの人数比が決まってます。この基準よりさらに保守的な人数比がいいですね。不安のあるお客様や、自分のペースで講習したいお客様の中には、はじめからプライベート・コースを申し込まれる方も多いです。 

何よりも大切なのが、「個々のレベルに合わせ、しっかり、丁寧な講習をしてくれるか否か」です。
参加前には分かりにくい点ではあると思いますが、申し込み時点でのメールや電話でのやり取りである程度(ショップ側の姿勢など)ハークできますかね?

※PADI正規登録店は、コース内容と安全基準を含め、PADIの最新ルールに従って行っています。ショップにより若干の違いはあっても適正な料金システムを明記しているはずです。(※日本語OKな海外の正規PADIショップリスト

ダイビング事故

No.2 ダイビング事故:40%
ダイビングって危なくないの?

ダイビング中の事故は他のマリンレジャーと比べて少ないと言われます。
ただ、ダイビングは自然相手のレジャーなので、事故は誰にでも起こる可能性があります
そして、ダイビング中の事故は様々な要因によって起こります。

例えば、うっかいミスから発生する事故、「ルール違反から発生する事故」、「自信過剰」、「安全管理の不足による事故」、「体調や持病によって起こる事故」、「環境によって起こる事故」など。

PADIジャパンに寄せられた事故の報告のほとんどが「自然に対する捉え方の誤り、甘い考えが元になっている」と感じられるそうです。(※PADIジャパン 詳細ページへ

海上保安庁が令和2年に発表したダイビング中の事故者数と死亡・行方不明者数、事故の内容と要因(※海上保安庁/令和元年海難の状況と対策)によると

  • H27:事故者32名、死亡・行方不明者11名
  • H28:事故者42名、死亡・行方不明者11名
  • H29:事故者58名、死亡・行方不明者16名
  • H30:事故者45名、死亡・行方不明者17名
  • R01:事故者41名、死亡・行方不明者14名

事故内容別にみると、溺水が最も多く22人(54%)で、続いて病気が11人(27%)の順となっています。
年齢別に見ると、50歳代の事故者が最も多く13 人(32%)、経験年数別では1年未満の初心者が17人(42%)となっています。 事故原因では、知識・技能不足、実施中の活動に対する不注意などの「自己の過失」 によるものが約6割を占めています。

ダイビング中に起こる事故の可能性を減らすことはできます!

ダイバーが事故に遭遇する可能性を減らし、楽しくダイビングを行うには、

  1. しっかりした基本知識とスキルを身に着ける。
  2. ルールに従ってダイビングをする。
  3. 自分のスキル、健康状態、体調をハークする。
  4. 絶対に「過信しない」ことが大切です。
  5. ②、③、④はショップ/インストラクター側にも言えることだと思います。

「これぐらいなら大丈夫だろう」とか、「みんなが参加するから・・」ではなく、ダイビングは自分のスキルと体力の範囲内で行いましょう!そして、時には「ノーと言える勇気も必要です」

初心者ダイバーの方に限らず、ダイビングに不安のある方は、必ず「遠慮せずに」自分の不安をバディやガイドに伝えてからダイビングをしましょう!

事故はとっさに起き、素早い判断が必要

その為にも、普段から、人任せではなく、自己管理のできるダイバーになる事が安全にダイビングを楽しむ為に必要なことです

DANアメリが発表したアニュアル・ダイビングレポート(2018年)によると、死亡事故の70%は溺れです。浮上し、水面に出たら直ぐに「BCDに空気を入れて浮力を確保する」これは基本中の基本ですよね。
もしもその時、エアが残っていなかったらどうしますか?
焦ってパニックになってしまいますか?
それとも、素早くオーラル(口)でBCDに空気を入れるか、ウエイトベストを捨てて浮力を確保しますか?
正確で素早い判断が大切になります。

ダイビング器材

No.3 器材を使いこなせるか?:31%

ダイビングに必要な器材は①軽器材(マスク・シュノーケル・フィン)②重器材(BCD,レギュレーター、オクトパス、ゲージ)③シリンダー(タンク)です。

これらを使うのは難しくはないです。基本的な操作方法をしっかり覚えれば誰でも使えます。

BCD,レギュレーター,マスクを例にすると:BCDはジャケット式の浮袋のようなもので、中に空気を入れると浮き、空気を出すと沈みます。空気を出し入れするボタンをきちんハークすれば大丈夫です。レギュレーターはを口に加え、水中でゆっくりと深い呼吸をすれば空気が吸えます。マスクは目と鼻を覆い、顔に付ければいいだけです。こう考えるといたって簡単で便利なものです。

ただ、各器材の役割と使い方をハークした上で、それらを自然に使いこなせるようになるには少しだけ時間がかかる人もいます。

ダイビングのスキルもそうですが、オープン・ウォーター・ダイバーコース終了後、続けて(目安)20~25本ぐらい連続して潜ると、自然と体で覚えることができるでしょう。(自転車こぎの練習と同じです)

こんなダイバーにはならないで・・・
たまに見かけるのが、慌ててBCDに空気を入れるボタンと出すボタンを間違って押してしまう人。
水中でマスクが曇っていても、対処できず我慢してしまう人。器材のセッティングがうる覚えの人。

例えば、バリ島でファンダイビングに行くと、現地スタッフが器材のセッティングをしてくれます。
これは良し悪しです。自分で器材のセッティングをしても良いんです。特に、器材のセッティング方法がうる覚えの人は、一つ一つ確認しながらスタッフと一緒にセッティングしてみましょう。

もし、自分以外の人が器材をセッティングした場合は、必ず潜る前に自分とバディで再確認する癖をつけましょう!きちんと確認する為にも、器材のセッティングは自分でできるようにしましょう。

安全にダイビングを楽しむ為に大切なのは、「慌てることなく水中できちんと使いこなせるスキルを見に付けることです!」

ダイビング講習

No4. 講習の難しさ:28%


ダイビングの講習って難しいの?」って聞かれたら、ダイビングに限らず、「初めて挑戦する事ってなんでも難しく感じませんか?
オープン・ウォーター・ダイバーコースでは、ダイビング器材の使用方法、安全に楽しむ為の知識やスキルの練習など、覚える事があります。認定ダイバーになっても、水中で上手く中性浮力が取れない人もいます。ただ、ダイビングは自転車こぎの練習と同じです。一度体で覚えてしまうと、そう簡単には忘れません。(※ダイビングを体で覚えこもう!)

日数

No5. かかる日数:23%


オープン・ウォーター・ダイバーコースにかかる日数は通常4日間です。
バリ島の場合、バリ島到着前(日本で)にオンライン・コースで知識開発部分を完結された方は、バリ島ではプール講習海洋実習を残り3日間で行います。
PADI(オープン・ウォーター・ダイバーコース)の基準は、「学科、プール、2日間の海洋実習(2日で4ダイブ)」と決められてます。

例えば、時間短縮の為、海洋実習を1日にまとめ行うことはルール違反で、あってはならない行為です。
また、全てのコースは「達成ベース」です。特にスキルトレーニングは納得するまで練習を繰り返します。その場合、スムーズにできる方もいれば、スキル習得までに時間がかかる方もいます。

オープン・ウォーター・ダイバーコースはしっかりダイビングの基礎を学ぶ為のコースなので、必ず「大丈夫」って思えるまで練習しましょう!

その他

No.6 仲間がいない:18%
ご心配なく、仲間はできますよ。

No.7 ショップの入りにくさ:13%
ご自分にあったショップが良いですよね。

No.8 目が悪い:12%
目が悪い方は「度付きマスク」や「コンタクトレンズを着用」して対応可能です。

No.9 泳げない:9%
体験ダイビングは泳げなくても大丈夫です。
オープン・ウォーター・ダイバーコースではプール(限定水域)では泳ぎの能力チェックをします。時間制限はありません

  • どんな泳ぎ方でも構わないので(犬かきでもOK)200メートルの距離をノンストップで泳ぐか、またはマスク、フィン、スノーケルを使用して300メートルを泳げるという能力。
  • 足がつかない深さの水域の水面で、水泳具を使用せずに10分以上落ち着いて浮いていられる能力(立ち泳ぎ)

No.10 体調/持病:6%
不安がある方は必ず医者のチェックを受けてからダイビングに参加して下さい。
特に、呼吸器、循環器系の持病を持っている方は必ずかかりつけの医師に相談して下さい。
PADIダイビングコースへを参加される前に必ず、「ダイバーメディカル | 参加者チェックシート」への記入が必要となります。まずは、ご確認下さい。

ダイバーメディカル 参加者チェックシート

初めてダイビングを始める方は「ダイビングに対する疑問・不安」があって当然です。
PADIオープン・ウォーター・ダイバーはダイバーになる初めの一歩。
一度取得すると、一生ものなんです。
すらすらとコース内容をこなせる方もいれば、そうでない方もいます。
私自身、25年以上前になりますが、かなり苦戦しました。なので、不安があったり上手くできない人の気持ちが良く分かります。

インストラクターの役割は生徒ダイバーさんの「やりたい!」って思いを根気よくサポートし、安全にダイビングを楽しめるダイバーを育成する事です。

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