PADIレスキュー・ダイバー・コース|セルフ・レスキューでトラブル予防
登山やダイビングなど、自然相手のレジャーでおろそかにできないのが「セルフ・レスキュー」スキル。
聞き慣れない言葉かもしれませんが、
セルフレスキュースキルとは、トラブルを未然に防ぐ為の知恵を含め、自分と仲間の安全を助けるスキルです。
実際、PADIレスキュー・ダイバー・コースに参加される多くの方が、セルフ・レスキュー能力を高めることを目的としてます。
①より安全にダイビングを楽しみたい ②他のダイバーに迷惑をかけたくない ③もっと自信を付けたいという思いです。
レスキュー・ダイバー・コースって言うと、疲れたダイバーを助けたり、意識のないダイバーを救助したりする印象だけをお持ちの方もいます。
中には、「レスキュースキルって通常のファンダイビングで必要なの?」「私にできるのかな?」って思うダイバーもいます。
レスキュー・ダイバー・コースは思っている以上に奥が深く有意義なコースです。
ダイビングで重要な「自己管理能力」の大切さを再認識させてくれます。
レスキュースキルと知識を身に付けることで、自分に自信が持てるようになり、自然と他のダイバーを気づかう余裕も生まれてくるでしょう。
ここでは、インストラクターになる前の私の体験談を含めながら、ダイビングの自己管理能力の大切さと、レスキューダイバーコースの重要性についてまとめました。
セルフ・レスキューで重要なのは「自己管理」
安全にダイビングを楽しむ為に重要なのが「自己管理」
自己管理がきちんと出来てこその「セルフ・レスキュー」
スキュー・ダイバー・コースで学ぶ全ての根底にあるのが「自己管理」能力です!
まずは、普段のダイビングで自己管理を怠っていないか、再確認してみて下さい。
自己管理① ダイビングを始める前の確認を欠かさない!
①自分の体調管理 ②精神面での不安はないか? ③器材に問題はないか?
風邪気味や寝不足でダイビングをすると耳抜きが上手くできない場合もあります。(私の苦い体験談)
また、ダイビング前に抱える精神面での不安はその後のダイビングを大きく左右します。
私の友達の経験ですが、体調が悪かったにも関わらず、周囲のダイバーに押されてダイビングに参加。
体調が悪化したにも関わらず、迷惑をかけたくないという一心で我慢しながらダイビングを続行。
結果、ダイビング終了後、一緒にいた仲間に迷惑をかける羽目になってしましました。
そもそも、ダイビングは楽しいものであって、我慢して行うレジャーではないですよね。
初めか「No」と言える勇気が必要でした。
体調が悪かったり、不安がある時は、時として「ダイビングをスキップする/辞める勇気」も必要です。
※常に控えめなダイビングを推奨します。
ご自分の器材をお持ちの方は、器材のメインテナンスはとっても大切です。
何年もオーバーホールに出してない器材をいきなり使用するのは辞めましょう。
自己管理② ダイビング前のコミュニケーションは事故予防につながる
- バディとお互いの器材チェックと「プレダイブ・セイフティ・チェック」を忘れない
- ダイビング計画の確認(ブリーフィングをしっかり理解する)
ついつい忘れがちになってしまいますが、バディ・チェック(プレダイブ・セーフティ・チェック)は大切です。
もし、バディのオクトパスが壊れていたらどうしますか?こんな人とバディは組みたくないですよね。
プレダイブ・セーフティ・チェックはうっかりミスの予防にもなります。(ダイビングのうっかりミス5選と対処法)
ダイバーあるあるの、①器材を背負ってからウエイトベルトを付け忘れていた事に気づいたり、②シリンダーのバルブを開け忘れなど無くなります。
バディとダイビング計画を立てる時は、トラブルを想定し、それを回避する計画を立てるのが良いですね。もしバディと逸れてしまったらどうすのか?ファンダイビングに参加した際、ブリーフィングを理解するのは大切です。
どんなに些細な事でも軽視しないで、バディやガイドとしっかりコミュニケーションをとり、理解してからダイビングを始めましょう!
これだけは押さえよう! セルフ・レスキューテクニック
- 足がつった場合に対処できる
- 適切な浮上のコントロール
- 水面で浮力を確保し、リラックスする
- ヴァーティゴ(めまい)が起きた時の対処
- エアが少なくなった時の対処
- マスクが外れてしまった時の対処
- レギュレーターが口から外れた時の対処
- 疲れてしまった時の対処
オープン・ウォーター・ダイバーコースで練習した1つ1つのスキルが「セルフ・レスキュー」に繋がります。
ただ、どれだけの人がいざという時に冷静に判断し、柔軟に対応できる実践力を身に付けているでしょうか?
レスキュー・ダイバー・コースでは、これらのスキルを実践的に再確認します。
苦手なスキルがある人は、練習して苦手を克服しましょう!
それが、安全と自信に繋がりますよ。
個人的な経験ですが、ファンダイビング中に突然他のダイバーに体当たりされ、マスクが外れそうになった経験があります。
実際、マスクは外れませんでしたが、かなりビックしました。その日を切っ掛けに、イザと言う時に備えて、浅場で苦手だったマスク脱着の練習を沢山した記憶があります。
PADI レスキュー・ダイバー・コースの一部をご紹介
今回「セルフ・レスキュー」を目的に参加されたKさん。
もともと自己管理能力も高く、既にセルフ・レスキュースキルもかなり高いレベルでした。
水中でエア切れダイバーへの対処法
エア切れダイバーのサインを素早く察知し、バックアップ空気源を渡します。
ダイバーが落ち着て呼吸を取り戻したら、1分間に18mよりも遅いスピードで一緒に浮上します。
今回良かった点は、エア切れダイバーに対し、敏速に行動出来たことと、アイコンタクトとダイバーに優しく触れることで安心感を与えた点です。
(注:コロナ禍でのコース開催の為、PADI基準に乗っ取り、事故者は自分のセカンドステージから呼吸をします)
水中で反応のないダイバーを浮上させる
動画を見ても分かりますが、素晴らしく上手にスキルをこなしました。
このスキルの難し点は、救助者のレギュレーターが外れないよう背後から押さえ、ニークレードルポジション(浮上中の姿勢)で浮上スピードをコントロールしながら浮上することです。何度か繰り返し練習する事で、コツを掴み、最後はパーフェクトに出来るようになりました。
動画はしっかり浮上速度をコントロールしながら反応のないダイバーを浮上させるまでの映像です。
より現実に近いシナリオを組んで練習することで、緊急事態が起きたらどのようになるか、何をする必要があるかを視覚化するのに役立ちます。
写真をクリックすると、動画が見られます
PADI レスキュー・ダイバー・コースに参加するメリット
レスキュー・ダイバー・コースはダイビングで大切な「自己管理」と「セルフ・レスキュー」スキルを再確認させてくれます。コース終了後に印象を聞くと、「他のどのコースよりも自信とダイビングスキルを向上できた」っていう方が多いです。
ダイバーの心理的な部分を含め、1つ1つのスキルをより実践的にトレーニングする事で、安全にダイビングを行う為の総合力がアップします!