レスキュー・ダイバー|不安を安心へ、更なる安全性と楽しみ方
ダイビングを楽しく安全に行っていくうえで、PADIレスキュー・ダイバー・コースは数あるコースの中で最も『やりがいと達成感』があり、『ダイバーとしての総合力が増す』コースです。
本日、PADI開催ウェビナー「レスキューダイバーのススメ!」に参加しました。
『誰のために? 何のためにレスキューダイバーになるのか?』、『なぜレスキューダイバーコースをすすめるのか?』
ウェビナーでは、レスキューダイバーコースの中身を検証し、コースを通じていかに自分自身の安全性を高められるか、PADIが考えるダイビングの更なる安全性と楽しみ方をプレゼンテーション形式で行いました。
一般ダイバーさんからの質問を含め、プロの私にとっても為になるウェビナーでした。
ここでは、個人的な感想を含めブログにしました。
レスキューダイバーのススメ|不安を安心へ変える
ダイビングに不安があったら安心できない。安心できなければ、楽しくないし自信も持てない。
ダイビングに限らず、人は「未知」の部分があると不安に駆られますよね。私もそうです。
例えば、潜りなれたポイントは無意識な安心感がありますが、初めて潜るダイビングポイントは大なり小なりドキドキしますよね。
『水中で何か起きたらどうしよう?』 とか
『もし、バディに何かあったら私は何が出来るのか?』って思った事がある方も多いのではないでしょうか?
では、
不安を取り除くにはどうしたら良いんだろう?
不安を取り除くには
- 事故の起こる要素を知り
- その対応策も知る事
レスキュー・ダイバー・コースではいざという時に必要なさまざまなスキルを柔軟的に練習します。
コースを通し『トラブルを起こさない為にはどうしたら良いんだろう?』、『トラブルが起きたらどうしよう?』という不安が自信へと変わっていくでしょう。
今回のプレゼンテーションでも強調してました。レスキューダイバーになるという事は
- 自分自信の安全性向上と
- ダイビングに対する自信向上
バディ・システムの重要性とレスキュースキル
ご存じの通り、ダイビングの基本ルールの一つに『バディ・システム』があります。
たとえガイドと一緒にグループでダイビングをする場合でも、グループ内でバディーは組みます。
水中では最初から最後までバディの近くにいて、お互い気をくばりながら潜るのが鉄則です。
PADIの考えるレスキューダイバーのイメージとは
- バディを組む上で持って置くべき能力
- 理想的なバディーの最低能力
レスキュー・ダイバー・コースで習得する知識とスキルは、より良いバディになる為に必要不可欠なスキルと言ってもいいでしょう。
ウェビナーでの質疑応答(Q&A)
- レスキュー・ダイバー・コースって難易度が高いのでは?
-
アドバンス・ダイバー・コースより少しだけ体力面でハードですが、その分達成感とやりがいはあります。
- レスキュー・ダイバーコースに参加するタイミングは?
-
参加した時のダイビング経験によってコースの印象が変わるかもしれませんが、参加資格をお持ちなら経験本数に関係なく「参加したい」と思った時に参加するのが良いかと思います。早めにレスキュー・ダイバー・コースに参加する事で知識や経験が高まり、その後の安全ダイビングに活かされます。
- 体が小さいくてもレスキューコースに参加できるのか?
-
レスキュー・ダイバー・コースは参加者の体格などを考慮し、柔軟に対応できるコースです。
- 実際どんな事故で役にたったのか?
-
ダイビング事故の70%が体調不良によるもの。
今回のウェビナーでは、過去に起きたダイビング事故の実例は述べませんでしたが、①レスキュー呼吸の大切さ、②体調が悪い時の水中ハンドシグナルの使い方、また、③ダイビング事故である「浸水性肺水腫/浸漬(しんし)性肺水腫」を知ることの大切さを説明しました。
個人的に印象に残った内容
レスキューダイバーコースでは「いざという時の対処法」を学ぶだけでなく、いかに周囲の状況を踏まえリーダーシップを取ることができるか、どれだけレスキューされた側の身になって考えるとこができるか?という点も学びます。とても重要だと思います。
①心のケアを忘れてはいけない
レスキューダイバーに重要なのは知識とスキルだけでなく、レスキューされた側の心のケアも大切です。
例えば、パニックダイバーのケース:
あたなはパニックダイバーを救助したとします。
パニックになったダイバーは落ち着きを取り戻した後、自己嫌悪で落ち込んでしまうかもしれません。
そんな時は、その人の自尊心を気づ付けないように話しかけ、寄り添ってあげることが大切です。
私自身の経験からも言えます、
20年以上も前の事ですが、タイでオープン・ウォーター・ダイバーになって直ぐ、会社の同僚(ベテランダイバー)に誘われ、初めて伊豆の大瀬崎でファンダイビングに参加しました。
初めての参加するファンダイビングでかなりの緊張してました。
ビーチから入るなら否や「ドキドキが止まらず浮上サイン」パニックではないですが、一緒にいたグループ全員を巻き込んでしまいました。その時は恥ずかしくって穴があったら入りたかったです。
翌日、私はダイビングに誘ってくれた同僚からお手紙をもらいました。その手紙の内容が「も~ダイビングに行けない」って思っていた私の心を救ってくれました。
②呼吸は止まっても心臓は動いている|レスキューコースの大切さを再認識
レスキュー・ダイバー・コースでは水面で呼吸のないダイバーを安全な場所まで曳航する方法も学びます。
そこで学べるのは、その場で起きたことの「分析力、判断力、行動力」です。
素早くその場の状況を分析し、どうすればいいのか判断し、
躊躇せず行動する勇気。
呼吸が止まっている状態でも肺に酸素がうまく送り込まれれば、救命できる可能性が高いです。
気道を確保するだけでも呼吸を再開する場合もあります。
一方、酸素が肺に送り込まれなければそのうち心拍も落ち、やがて心臓も動きを止めてしまいます。
素早くレスキュー呼吸をすることで助けられる命があるならば、そのテクニックを習得すべきですよね。
レスキューダイバーコースまとめ
レスキューダイバーコースの内容はこんな組み立てになってます
- 未知の部分を無くせば不安は消える
- 不安な部分を無くせば安心できる
- 安心できると楽しさは増す
ダイビングに対する考え方が柔軟になると応用力が増す
応用力が増すと総合力が増す
これって、日常生活でも役に立ちますね!
日常生活で役立つレスキュー・ダイバー・コースの恩恵
- 柔軟に物事を考えられるようになる
- 分析力、判断力、行動力が身につく
- 万一の事態に対する対応能力向上
- 総合的に考えると余裕に満ちたダイバー?!
レスキュー・ダイバー・コースがより身近になりました
新しく、PADIアドバンス・オープン・ウォーター・ダイバー・コース内にレスキュー・スアドベンチャー・ダイブ(Rescue Adventure Dive)が加わり選べるようになりました。
レスキュー・アドベンチャー・ダイブでは、「足のつりを治す」と「予備の空気源の使用」という2つの セルフレスキュースキルに加え、レスキュー・ダイバーコースで学ぶの3つの課題を先行して学べます。
レスキュー・ダイバーコースに進むことを考えているダイバーの方や、レスキュースキルの一部を先行して学びたいと思う方におススメです。