ダイビングで重要「バディチェック」してますか?『BWRAF』おさらい

バディチェック,BWRAF,プリダイブセーフティーチェック

ダイビング前にバディチェック、ちゃんとしてますか? 

バディチェックとは、ダイビング前にバディ同士でお互いの器材や装備を確認し合うこと。
「プレダイブ・セーフティ・チェック」とも呼ばれ、ダイビング中のトラブルを未然に防ぐためにとても重要です。


「さぁ~潜るぞ~!」というタイミングで、

  • ウエイトを付け忘れていた
  • シリンダー(タンク)バルブが開いてなかった

…なんて経験、ありませんか? これ、意外とベテランダイバーでもやりがちなミスなんです。
本来、バディチェックをしっかり行えば防げるはずのうっかりミス
しかし、経験を積むほどに「まぁ大丈夫だろう」と省略されがちなのも事実です。

ダイビングで「過信」は禁物

もう一度、バディチェックの大切さをおさらいしてみましょう!

バディチェックは、ダイビング中のトラブルや事故を未然に防ぎ、安全にダイビングを楽しむ為にとっても重要です!

目次

バディチェック「プリダイブ・セーフティー・チェック」をおさらいしよう!

ダイビング,バディチェックの重要性

バディチェックとは、ダイビングを始める前にバディと一緒にお互いの器材や装備を確認し合うことです。
これは、オープンウォーター・ダイバーコースで学ぶ基礎ですが、経験を積んでも常に習慣づけることが大切です。

バディチェックの内容は、英語の頭文字をって「BWRAF」と覚えます。

  • B→(BCD) BCDのチェック
    BCDのインフレーターが正常に動作するか
    排気バルブの確認
  • W→(Weight) ウエイトのチェック
    ウエイトを付けているか
    緊急時に外しやすい位置か
  • R→(Releases) リリース部分のチェック
    BCDウエイトベルトのバックル、その他リリース類が正しく装着されているか
    緊急時に外せるか
  • A→(Air) エアのチェック
    レギュレーターとオクトパスが問題なく機能するか
    シリンダー(タンク)バルブが完全に開いているか
    残圧は十分にあるか
  • F→(Final Check) ファイナル(最終)チェッ
    マスク、フィン、ゲージ類の最終確認
    バディとOKサインを出し合い、準備完了!

このチェックを習慣づけて、体で覚えこんでしまえば完璧ですね!

BWRAF: バディチェックの仕方とダイバーあるある

「ダイビング前に行うバディチェック『BWRAF』は、安全なダイビングのために欠かせない手順です。BCDやウエイト、エアの確認など、5つの項目を順番にチェックすることで、トラブルを未然に防ぐことができます。次に、具体的なチェック項目と、ダイバーがうっかり間違えやすい『ダイバーあるある』を見ていきましょう。

B-BCDのチェック


BCD(浮力調整装置)はダイビング中の浮力を調整するために重要な装備です。
バディと一緒に、以下のポイントをしっかりチェックしましょう!

チェックのポイント

  1. インフレーターホースの接続を確認
    しっかり「カチッ」と音がするまで接続されているか?
    軽く引っ張って外れないか確認
  2. 給気・排気ボタンの動作確認
    BCDに空気が入るか?
    しっかり空気が抜けるか?
  3. BCDがシリンダー(タンク)固定されているか
    ストラップがしっかり締まっているか?
    シリンダー(タンク)を持ち上げてもガタつかないか?

ダイバーあるある

  • インフレーターホースがちゃんと接続されていない
    BCDに空気を送ろうとしたら、「あれ?入らない!」という経験、ありませんか?
    インフレーターホース(中圧ホース)をパワーインフレーター(インフレーター)に「カチッ」と音がするまでしっかり接続しましょう。少し引っ張って外れないか確認すると安心です!
ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,BCDのチェック
  • ホース類がBCDに絡まっている!
    セカンドステージのホースがBCDのショルダーベルトの下に入り込んでしまい、「レギュレーターどこ!?」って右手でセカンドステージを探している人。また、ダンプバルブ(排気バルブ)のヒモが肩のストラップの下に入り込んで、ダンプバルブ(排気バルブ)のヒモが引っ張られ常に空気が抜ける状態になってしまうことも。これでは、いくらBCDに空気を送っても膨らみません。

事前にホース類が絡まってないか、しっかりチェック!

ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,BCDのチェック,ダンプバルブのヒモ

初心者ダイバーあるある

  • 給気ボタンと排気ボタンを間違える
    水中で「給気ボタン」と「排気ボタン」の位置が分からなくなってしまうことがあります。
    得に焦ったときに落ち間違えることも….。事前に自分のものだけでなく、バディのボタンの位置も確認しておくと安心です!インフレーターの給気ボタンと排気ボタンを使って、BCDに空気を送ってみよう!
  • BCDがシリンダー(タンク)にしっかり固定されていない
    水中で「なんだかタンクがグラグラする…」と思ったら、BCDの固定が甘い可能性大!
    水中で適切な体制が取りずらく、最悪、タンクが外れてしまう場合もあります。

固定したら、一度持ち上げてズレがないか確認すると安心です!

ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,BCDのチェック,タンクベルト

W-ウエイトのチェック

チェックポイント

  1. ウエイ(おもり)の付け忘れはないか
  2. ウエイトの位置は適切か
  3. ウエイトベルトのバックルの向き(正しくは右向き!)
  4. バックルがしっかり閉まっているか
    浮いていたり、外れそうになっていないかチェック

ダイバーあるある

  • ウエイトの付け忘れ!
    ダイビング歴が長くても、フル装備してから気づくことが…!
    (経験者多数では?)
  • ウエイトの位置がズレている
    水中で適正な姿勢(トリム)が取りにくくなるので要注意。
  • バックルの向きが逆(正しくは右向き)
    バックルの向きが違うと、緊急時に素早くウエイトを外しにくくなります。(クイックリリースがしにくくなる)
  • バックルがカチッと閉まってない。
    水中でウエイトベルトがズレ落ちる原因!
ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,ウエイトのチェック,ウエイト内臓BCD

ウエイト内蔵BCDを使用している人も多いので。バディのウエイトタイプとリリース方法を事前に確認!
イザという時にクイックリリースできるかチェック!

R-リリース類(全てのリリース類をチェック)

すべてのリリース類をチェックし、安全に潜ろう!

ところで、リリース類って何

リリース類とは、BCDやタンクを固定するベルトやストラップ類のこと!

チェックポイント

  1. お腹の部分にあるベルト(カマーバンド)とストラップ
  2. 胸のストラップ(チェストストラップ)
  3. 肩のストラップ(ショルダーベルト)
  4. シリンダー(タンク)ベルト
ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,リリース類のチェック,カマーバンド
ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,リリース類のチェック,お腹周りのストラップ

カマーバンドとは?
BCDを体に固定させるマジックテープ式の幅広いベルトです。
その上に、さらにバックルタイプのストラップベルトがあります。

ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,リリース類のチェック,チェストストラップ
ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,リリース類のチェック,ショルダーストラップ

BCDのタイプは様々
チェストストラップやショルダーベルトにバックルがないタイプのBCDもあるため、バディがどんなBCDを使っているか確認するのが重要

ダイバーあるある

  • 肩の部分にあるストラップ(ショルダーベルト)が固定されていない
    一般的なBCDは、ショルダーベルトの先を下に引っ張りると固定される仕組み。
    しっかり固定されていないと、BCDが体にフィットせず、水中で適切な姿勢が取りにくくなります
    肩の部分にあるストラップショルダーを引っ張り忘れ、水中で浮気味になっているダイバーさん。
  • シリンダー(タンク)ベルトが緩んでいる
    タンクがズレ落ちたり、水中でタンクがブラブラしてしまい、バディやガイドに締め直してもらうことに…!

A-エア(空気のチェック)

シリンダー(タンク)やレギュレーターの状態をしっかり確認!

チェックポイント

  1. シリンダー(タンク)バルブが完全に開いている
  2. レギュレーター&オクトパスから空気が吸えるか
  3. エアの匂いをチェック
  4. 残圧計を確認。最低でも180以上あるか
  5. パージボタンは正常に作動するか
ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,エアのチェック,シリンダーバルブ(タンクバルブ)を全開にする
シリンダー(タンク)バルブを手前に回し、全開にする

ダイバーあるある

  • シリンダータンク)バルブの開け忘れ
    ダイビングの経験に関わらず、意外と多いミスです。
    潜る直前に「バルブ開けて~!」とバディにお願いする場面、見たことありませんか?
    さらに、バルブが中途半端に開いていると、水中で残圧計の針が揺れるので要注意!
  • 空気の匂いチェックを忘れる
    空気(エア)の匂いチェックは忘れがち。
    無臭ならOK!でも、臭かったり、変な匂いがしたら、直ぐにタンク交換をお願いしよう!
    水中でオイル臭い汚染さえた空気を吸うと、気持ち悪くなったり、吐き気やめまいの原因になります。
  • 残圧の確認忘れ
    2本目、3本目のダイビングで、使用済みのタンクをそのまま使ってしまうことがあるかもしれません。
    また、新しいタンクでも最初からエアが少ない場合もあるので、潜る前に必ず確認

バディのオクトパスの位置もチェック!
エアチェックする際に、バディのオクトパスの位置を確認しておこう!
イザという時にすぐに対応できるよう、準備は万全に!

F-ファイナルチェック

ダイビング前の最終確認!頭からつま先までしっかりチェック!

チェックポイント

  • マスク、シュノーケル、フィンは準備OK?
  • オクトパスやゲージ類は固定されている?
  • ダイビングライト、カメラ、安全装備類もチェック!

すべて確認できたら、ファイナルOK!いざダイビングに!

ダイビング,バディチェック,BWRAFの重要性,プリダイブセーフティーチェック

ダイバーあるある

  • マスクとフィンがなければ潜れません!
    ダイブクルーズなどで、小さな船(ディンギー)に乗り換えてポイントまで向かうことがあります。
    もし、マスクやフィンを忘れたままディンギーに乗ったら
    ポイントに到着してもダイビングできません!
  • 水中でオクトパスやゲージ類をブラブラ
    バディチェックの時はちゃんと固定されてても、水中でフックから外れて、オクトパスやゲージがブラブラ・・
    引きずってしまうと、サンゴや水中の生き物にダメージを与えてしまいます。
    意識して「環境に優しダイバーになろう!

バディチェック「BWRAF」の簡単な覚え方

「BWRAF」って覚えにくくないですか?

日本人ダイバーにとって、アルファベットの並びはちょっと馴染みがないですよね。
英語圏では、BWRAFの覚え方がいろいろあり、PADIオープ・ウォーター・ダイバー・コースで習うのは、
「Begin With Review And Friend」
意味は分かるけど、順番を忘れがちですよね。

B:Begin (BCDのチェック)
W:With (ウエイトのチェック)
R:Review(リリースのチェック)
A:And/ Air (エアのチェック)
F:Friend /FInal (最終OK確認)

以下は個人的に気に入ってるBWRAFの順番の覚え方の例です。

簡単な覚え方① 美しい女性が自分から逃げるバージョン

B: beautiful (ビューティフル)→ BCDのチェック 
W:woman (ウーマン)→ ウエイトのチェック 
R: run (ラン)→ リリース類のチェック
A:away (アウェイ)→ エアのチェック
F: from me (フロム ミー)→ ファイナルチェック

簡単な覚え方 ② マクドナルドバージョン

B: Burgar (バーガー)→ BCDのチェック
W:with (ウィズ)→ ウエイトのチェック
R: Rice (ライス)→ リリース類のチェック
A:and(アンド)→ エアのチェック
F: Fries (フライ)→ ファイナルチェック

簡単な覚え方③~ 食べ物シリーズ

B:Beans(ビーンズ)BCDのチェック
W:With(ウィズ)ウエイトのチェック
R:Rice(ライス)リリースのチェック
A:And(アンド)エアのチェック
F:Fish(フィッシュ)ファイナルチェック

簡単な覚え方④~ 俺たちは魚じゃないぞバージョン

B:Because(ビコーズ)BCDのチェック
W:We(ウィー)ウエイトのチェック
R:Really(リアリー)リリースのチェック
A:Aren’t(アーント)エアのチェック
F:Fish(フィッシュ)ファイナルチェック

簡単な覚え方⑤~ クジラ好きバージョン

B:Big(ビッグ)BCDのチェック
W:Whales(ホエールズ)ウエイトのチェック
R:Really(リアリー)リリースのチェック
A:Are(アー)エアのチェック
F:Fun(ファン)ファイナルチェック

簡単な覚え方⑥~ 水は呼吸できないバージョン

B:Breathing(ブリージング)BCDのチェック
W:Water(ウォーター)ウエイトのチェック
R:Really(リアリー)リリースのチェック
A:Ain’t(エイント)エアのチェック
F:Fun(ファン)ファイナルチェック

    ダイビング「過信」は禁物


    DAN(Diver’s Alert Network)によると、ダイビング事故の件数は初心者とベテランダイバーのどちらも同じぐらいの割合で発生しているそうです。

    また、海上保安庁が発表した2019年の事故統計(令和元年 海難の現況と対策 ) によると、ダイビング経験の少ないダイバーの事故が目立つ一方で、10年以上のベテランダイバーの事故も全体の30%近く占めていることが分かっています。

    経験年数別の事故割合

    • 初めてダイビングをした(27%)
    • ダイビングを始めて1年未満(15%)
      全体の42%。
    • 10年以上のベテランダイバーは全体の29%

    事故の最大の原因は「自己の過信」

      驚くことに、事故の原因の60%は『自己の過信』によるものだと報告されています。
      「自分は大丈夫」と思っていても、事故は経験に関係なく発生します。経験本数と事故数は反比例しないのです。

      バディチェックが事故を防ぐ!

      バディチェックを行うことで、小さなミスを事前に発見し、未然に事故を防ぐことができます。
      陸上では小さな問題でも、水中で大きな問題に発展する可能性もあります。

      ダイビング前は必ず「バディチェック」を行い、安全にダイビングを楽しもう!

      目次