トランベンはウミウシの楽園|バリ島ダイブサファリで見た美しい海の宝石
4月下旬~4日間にわたり、ダイブサファリでトランベンへ行ってきました。
バリ島トランベン周辺には、16か所以上のマクロポイントがあり、水中は異なった世界が広がっています。
Melasti(ムラスティ)には、ハート形のコテングノハウチワが多く生息し、オオアリモウミウシ属のウミウシをたくさん観察することができました。一方、ミヤビウロコウミウシはSidem(シデム)でしか見たことがありません。
以下、独断と偏見ではありますが、今回見たウミウシを5つのカタゴリーに分けてご紹介します。
- 初めて見たウミウシに感動
- 何度見ても美しいと思うウミウシ
- 見かけたら嬉しくなるカラフルなウミウシ達
- バリ島で比較的よく見かけるほっとするウミウシ
- 地味に綺麗なウミウシ
ぼちぼちインスタグラムに動画をアップしているので
合わせてご覧ください。
初めて見たウミウシに感動
現在、知られているだけでも3000種以上のウミウシが存在します。
バリ島トランベン周辺だけでも、数えきれないほどの種が生息しており、同じダイビングポインでも常に新たな出会いが待っています。
ユビウミウシ属の一種
学名:Bornella hermanni
ダイブサイト:バトゥニティ(Batu Niti)
ユビウミウシ属でこの色は初めて見ました。
バエオリディア属の一種
学名:Baeolida sp
ダイブサイト:シデム(Sidem)
バエオリディア属の一種。名前なしの未記載種。
サラームミノウミウシにそっくりですが、頭部に模様がないため違うみたいです。
ネコジタウミウシ
学名:Goniodoris castanea
ダイブサイト:ムラスティ(Melasti)
肉眼で見てもよくわからず、とりあえず撮った一枚。
調べてみたら、面白い和名がついていました。
フイリフサツノミノウミウシ
学名:Noumeaella rehaeri
ダイブサイト:シデム(Sidem)
マツカサウミウシ属の一種
学名:Doto sp
ダイブサイト:ムラスティ(Melasti)
ヤマンバウミウシぐらい小さい。
ハチジョウミノウミウシ
学名:Phyllodesmium sp
ダイブサイト:シデム(Sidem)
サガミイロウミウシ
学名:Hypselodoris Sagamiensis
ダイブサイト:バトゥ・リンギット(Batu Ringgit)
アカネコモンウミウシ
学名: Goniobranchus collingwood
ダイブサイト: バトゥ・リンギット(Batu Ringgit)
キホシウロコウミウシ
学名:Mourgona sp 1
ダイブスポット:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
※とても見苦しい写真ですみません。
何度見ても美しいウミウシ
ミヤビウロコウミウシ
学名:Cyerce elegans
ダイブサイト: シデム(Sidem)
シデムに来たら必ず探すウミウシ。他のダイブサイトでは未だ見たことがありません。
サンドラミノウミウシ
学名:Unidentia sandramillenae
バリ島では比較的よく見かけるウミウシです。フサフサしたセラタ(Cerata)と背中に走る紫色の線が艶やかで美しい。
見たら嬉しくなるウミウシ:トランベンの水中はカラフル
ウミウシの中には、何度見ても飽きることなく、心躍るような魅力を持つ種もいます。ウキウキさせてくれる種もいます。個人的にピンク色のウミウシと、変顔が好きです。
センヒメウミウシ
学名:Aegires villosus
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
今回、バトゥ・ニティで数回見かけました。親子でなのか分かりませんが、二匹並んでいるのは初めて見ました。
チョビヒゲウミウシ
学名:Polycera sp
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
チョビヒゲウミウシとも、アカコソデウミウシとも呼ばれているウミウシ。
顔の前にある突起が特徴的。体長1センチ以下。こんなに小さなチョビヒゲウミウシを見たのは初めて。「この顔、猫にそっくり」って言われ、じっくり見ると猫に見えますね。新たな発見でした。
シノビイロウミウシ属の一種
学名:Thorunna sp
ダニエライロウミウシ
学名:Thorunna daniellae
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
紫色の個体がシノビイロウミウシ属の一種で、白がダニエライロウミウシです。
2匹一緒にいるところに出会えて嬉しかったです。
クリヤイロウミウシ
学名:Mexichromis mariei
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
パット目を引く、綺麗な色のウミウシ。この配色がたまんない。
キイッポンウミウシ
学名:Mexichromis trilineata
ダイブサイト:バトゥ・ニティ
バトゥ・ニティで2回見かけました。こちらは米粒ぐらいの大きさ。それでも存在感ある。
スイートジェリーミドリガイ
学名:Thuridilla albopustulosa
和名のごとく、アデヤカミドリガイ属(Genus Thuridilla)の中で断トツ可愛い色合い。
バリ島で比較的よく見かけるウミウシ
クサイロモウミウシ
学名:Costasiella paweli
ダイブサイト:メラスティ(Melasti)
ドランベン周辺のマクロポイントに限らず、コテングノハウチワ(Avrainvillea erecta)を一枚一枚みると、何かしらのオオアリモウミウシ属(Genus Costasiella)のウミウシがくっ付いている場合が多い。昨年7月、プリジャティ(PJ)にホホベニモウミウシが大増殖していた。
ミナミアオモウミウシ
学名:Costasiella sp 5
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
数個体見た中、極小だった方。
マトミノウミウシ
学名:Eubranchus ocellatus
ダイブサイト:Batu Niti
タルミノウミウシ
学名:Trinchesia sp.
フトガヤミノウミウシのグループ(Trinchesia yamasui)という人もいる。
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
比較的大きな個体は何度も遭遇していますが、全長1センチぐらいの小さな個体は初めて見ました。
コノハミドリガイ
学名:Elysia marginata
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
光合成と「自切と再生」するウミウシで有名なコノハミドリガイ。
バリ島でよく見かけるハイブリッドなウミウシ。
ムカデミノウミウシ
学名:Pteraeolidia semperi
ダイブサイト:シデム(Sidem)
バリ島でよく見るウミウシ。シデムに大量発生していました。
オダカホシゾラウミウシ
学名:Hypselodoris roo
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
バリ島でよく見るウミウシ。ホシゾラウミウシにそっくりですが、二次鰓の軸の色で区別できます。
ドーリス類のウミウシの中には、呼吸器である二次鰓を引っ込ませる種と引っ込ませない種がいます。このウミウシは、二次鰓を引っ込ませたり、出したりしながら食事をしていました。
ウミウシの呼吸|ウミウシが持つ3タイプの呼吸器(エラ)
リュウモンイロウミウシ
学名:Hypselodoris maritima
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
地味に綺麗なウミウシたち
ゴニオブランクス・コンチリアートゥス
学名: Goniobranchus conchyliatus
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
体のイボイボがイボウミウシっぽいですが、イボウミウシにはフサフサした二次鰓がありせん。
コモンウミウシ
学名:Goniobranchus aureopurpureus
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
ヨツスジミノウミウシ科の一種3
Facelinid sp 3
ダイブサイト:バトゥ・ニティ(Batu Niti)
ゴクラクミドリガイ
学名:Elysia marginata
ダイブサイト:バトゥ・ニティ
コナユキツバメガイ
学名:Chelidonura amoena
ダイブサイト:バトゥ・リンギット(Batu Ringgit)
ウミウシにどっぷり浸かった夢の時間
今回もまた、トランベンの海底に隠れた美し宝石たちに出会い、その多様性と色彩に感動しました。
トランベン周辺はウミウシ愛好家や海洋生物に興味を持つダイバーにとって、必見の場所です。
ウミウシのみならず、小さくて元気なカエルアンコウ、ちょっと変わったエビやカニたちにも遭遇。(次のブログへの続きます)
ここは毎ダイブ違った感動を与えてくれる場所。次なる宝探しに向けて、新たな旅の準備を始める時が来ました。