スナチゴミノウミウシ|タマシキゴカイの卵塊に入り込み、その卵を食べる
海の宝石と言われいるウミウシ。
美しいだけでなく、ウミウシの生態は面白い!
この「丸いプニュプニュしたゼリー状の物体」は何でしょう?
よく見ると、中に無数の卵があり、ウミウシが入りこんでいます。
アメッドのマックダイビング・ポイントで見つけました。
はじめは、この丸い物体の上に乗っかってるワレカラを見ていました。
丸い物体をよく見ると、ウミウシらしきものが潜んでいる。
とても興味深かったので、①この物体とウミウシの正体 ②ウミウシの食へのこだわりを調べてみました。
丸いゼリー状のプニュプニュした物体の正体は:タマシキゴカイの卵塊(らんかい)
プニュプニュした丸い物体の正体は「タマシキゴカイの卵塊」
タマシキゴカイはゴカイの一種。まだ見たことがないですが、写真で見るとミミズの様です。
砂の中にU字型の穴を掘って住んでいるそうです。
砂の中の有機物を食べ、太いモンブラン見たいな形をしたフンをします。(フンは見たことあるんですけどね~)
卵塊はこんな風に砂地で揺ら揺らしてます。
卵塊の中にいるウミウシの正体:スナチゴミノウミウシ(Favorinus sp.2)
卵塊の中にいるウミウシはスナチゴミノウミウシと言うトモエミノウミウシ属 (Genus Favorinus)のウミウシです。
タマシキゴカイの卵塊の中でその卵を食べて育ちます。(白いプツプツがタマシキゴカイの卵です)
ウミウシは食へのこだわりが強い
ウミウシはアメフラシと違い肉食系です。
主に海綿に付いているコケムシやヒドロ虫を食べます。
中には、ウミウシの卵を食べたり、共食いする種もいるんです。
『トモエミノウミウシ属 (Genus Favorinus)のウミウシは特定の種のウミウシ卵を食べる』ことで知られてます。
中でも今回アメッドで遭遇した「スナチゴミノウミウシ」は一風変わってます。
ウミウシの卵を食べるツルガチゴミノウミウシ(Favorinus tsuruganus)
ツルガチゴミノウミウシ(Favorinus tsuruganus) がミカドウミウシ(Spanish dancer)の卵を食べてる様子です
ウミウシの鮮やかな色は食べ物から得られているんだね。
シンデレラウミウシ(Hypselodoris apolegma)の卵は黄色っぽいから、それを食べるツルガチゴミノウミウシの体色は黄色っぽいよ。
共食いする「オオエラキヌハダウミウシ」
オオエラキヌハダウミウシ(Gymnodoris Ceylonica)は同種のアメフラシが好物らしい
ウミウシって奥が深い
タマシキゴカイの上にはワレカラ、中にはスナチゴミのウミウシがいます。
ウミウシは知られているだけで3000種以上いると言われてますが、日々新たな発見があるそうです。
今回アメッドで遭遇したスナチゴミノウミウシの様に、変わった生態の持ち主はまだまだいるでしょう!
(この日のダイビングブログ:バリ島マックダイビング|アメッドで見たマクロと奇妙で可愛い水中生物)
我々といt所に、バリで面白いウミウシ達を見つけに行きませんか?
参考:
- Nudibranch: Species, Behavior, and Diet
- Nudibranch Behavior by David W. Behrens