魚の共生|海の生態系を知るとダイビングがもっと楽しくなる!
ダイビングで水中世界を探検すると、いろんな種類の魚に遭遇し、さまざまな生活シーンを目にします。
巨大マンボウやマンタをお掃除する小さな魚。 ジンベエザメにピタッとくっつくコバンザメ。
イソギンチャクを住処とするクマノミ類。
小さなエビやカニの中にはカモフラージュの達人もいます。
彼らは周囲に溶け込み、よく見ないと見分けが付きません。
美しサンゴ礁の海で暮らす魚達は、いったいどんな暮らしをしているのでしょう?
興味が沸きますね。
ダイバーが、マナー良く海の生き物達と関り合う為に重要なのが「魚の社会」について知ること。
これは、水中写真を撮る上でも大切なポイントとなります。
海の生き物達は、食物連鎖の中に見られる「共生」や「捕食」、「競争」の関係で繋がっています。
それは、美しいだけの関係ではありません。
思った以上に奇妙で複雑に入り組み、残酷な面もあります。
ここでは、バリ島ダイビングで馴染みの深い海の生き物を例に、「魚の共生関係」を深堀してみました。
- 魚の共生とは(3分類+2)
- 魚の相利共生と9例
- 魚の片利共生と10例
- 寄生とその例
- 捕食とその例
- 海洋生物の競争
魚の共生とは|共生関係の分類
魚の社会でいう「共生」とは、2種類以上の異なる種の個体が相手の足りない点を補いながら生活すること。
これだけ聞くと仲睦まじい関係を想像しがちですが、現実は少し違います。
魚の共生関係は大きく3分類に分けられます。
- 相利共生・Mutualism
お互い、相互に利益をもたらす関係(+ +) - 片利共生・Commensalism
一方は利益をもたらすが、もう一方は影響を受けない。(+0) - 寄生・Parasitism
ホスト(宿主)を犠牲にし、一方だけが利益を得る(+−)
上記に加え、生態系の食物連載の中では、「捕食」と「競争」も加わります。
- 捕食・Predation
宿主自体を捕食する - 競争・Competition
限られた資源をめぐる生物間の競争
それでは、魚の相利共生について見てみましょう!
魚の相利共生とは|絶対的相利共生と任意共生
まずはじめに、「相利共生」についてです。
「相利共生・Mutualism」とは、異なった種の生物が一緒に生活し、お互い利益を得る関係
相利共生には、絶対的相利共生と、条件的相利共生の2タイプあります。
- 絶対的相利共生(Obligate mutualism):Obligate for both partners
どちらの生物もお互いなしでは生きられない。完全に依存。 - 絶対的相利共生 (Obligate mutualism): Obligate for one partner
一方的絶対共生:片方の種はもう一方の種に依存しているが、逆はない。 - 任意共生:条件的(Facultative mutualism):
一緒にいることで互いに利益を得るが、完全に依存しているわけではない。
どちらの生物も独立して生き残ることはできる。
魚の相利共生関係|9例ご紹介
相利共生9例 Mutualism | |
---|---|
サンゴと褐虫藻 | 絶対的相利共生:Obligate mutualism |
クマノミ類とイソギンチャク | 相利共生という見方が一般的だが、 片利共生という意見もある。 |
アカホシカニダマシとイソギンチャク | イソギンチャクは安全な住処を提供。 アカホシカニダマシはイソギンチャクをお掃除? |
ヤドカリとイソギンチャク | ヤドカリはイソギンチャクを付けることで、ヤドカリは捕食者から身を守りす。 イソギンチャクはヤドカリに付くことで、楽に移動でき、ヤドカリの食べかすから栄養をもらいます。 |
キンチャクガニとイソギンチャク | キンチャクガニは毒のあるカニハサミイソギンチャクを両方のハサミに付けて敵から身を守ります。 イソギンチャクはキンチャクガニが食べた残骸を栄養源にします。 |
ハゼとテッポウエビ | ハゼはエビが掘る穴の見張り番。 ハゼの糞(フン)はエビの栄養源。エビはハゼに隠れ家となる巣穴を提供。 |
ホンソメワケベラと大きいな魚 | ホンソメワケベラは大きな魚に付いた寄生虫を食べながら彼らの体をお掃除。 両方にメリットはあるが、お互いに依存しない任意共生関係(Facultative mutualism) |
クリーナーシュリンプと魚 | クリーナーシュリンプは魚に付いた寄生虫を食べながらお掃除。 両方にメリットがあるが、お互いに依存しない任意共生関係(Facultative mutualism) |
マンボウと海鳥・ハタタデダイ | 海鳥やチョウチョウウオはマンボウの体に付いた寄生虫を食べながらお掃除します。 |
サンゴと褐虫藻(かっちゅうそう)の絶対的相利共生
ヌサペニダ周辺にはバリ島で最も美しいサンゴ礁が広がります。
美しいサンゴ礁を形成しているのが造礁サンゴという種類のサンゴ。
造礁サンゴと相利共生関係にあるのが、褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトン(藻類)です。
サンゴは褐虫藻を細胞内に共生させ、安全な住処を提供します。
褐虫藻はサンゴの細胞内で光合成を行い、余った光合成産物を宿主(サンゴ)に供給します。
造礁サンゴの栄養源は、褐虫藻から得る光合成産物と自ら水中で捕食する動物プランクトンです。
サンゴが捕食した海水中の動物プランクトンは、褐虫藻の栄養源にもなっています。
サンゴは褐虫藻に住処と栄養源を提供。
一方、褐虫藻もまたサンゴに栄養源を提供しているんだね。
どちらが欠けてもお互い生きていけない。
そう。この関係を相利共生の中の絶対的相利共生って言うんだよ。
その他の相利共生関係も見てみよう!
クマノミの仲間とイソギンチャク
お魚の相利共生で有名なのが、「クマノミの仲間とイソギンチャクの関係」
世界中に1000種以上のイソギンチャクが生息しますが、クマノミ類が宿主としているのは10種類のみ。
現在、約28種類いるクマノミの仲間は、それぞれお気に入りの種のイソギンチャクを宿主として暮します。
(バリ島で会えるクマノミの面白生態)
クマノミ類は毒針(刺胞)を持つイソギンチャクの周りに住むことで、大きな魚から身をまもります。
一方、イソギンチャクはクマノミに住処を提供することで、お掃除してもらったり、酸素や餌を与えてもらいます。
クマノミがイソギンチャクの成長を支えているって聞いたことがるよ!
イソギンチャクは造礁サンゴ同様、褐虫藻と共生し成長しています。
その為、イソギンチャクが成長するには、体内に住む褐虫藻に光合成させて栄養を得なければなりません。
イソギンチャクはクマノミが近くにいることで、
①外敵を心配することなく口盤を大きく広げ、体内にいる褐虫藻に光合成をさせることができるんだよ。それと、
②クマノミの排泄物が褐虫藻の肥料になってることも明らかになったんだよ。
クマノミってかなり重要な役割を果たしているんだね。
クマノミ類とイソギンチャクは「片利共生関係だ!」という説もある。①イボハタゴイソギンチャクの放卵中に,クマノミがその卵を捕食した例があるようです。②また、お腹が空いたクマノミはイソギンチャクの触手を食いちぎった例もあるらしい。
ただ、一緒に暮すことで、メリットの方が多く、繁殖に役立っているらしい。だからやっぱい、相利共生?
動画:
カクレクマノミとセンジュイソギンチャクの共生
ハナビラクマノミとセンジュイソギンチャクの共生
クマノミの赤ちゃんとサンゴイソギンチャクの共生
カクレクマノミとシライトイソギンチャクの共生(パダンバイの動画の一部)
アカホシカニダマシとイソギンチャク
イソギンチャクに住むのはクマノミ類だけではありません。
アカホシカニダマシもまた、イソギンチャクを宿主とします。
彼らは、ハタゴイイソギンチャクやセンジュイソギンチャクなど、大きなイソギンチャクを好んで住みます。
宿主イソギンチャクは、アカホシカニダマシに安全な住処を提供。
アカホシカニダマシは宿主の体の表面についた食べ物のくずや粘液を食べることで、宿主のイソギンチャクを綺麗にします。
動画:ハタゴイイソギンチャクと共生するアカホシカニダマシとセバエアネモネフィッシュ
ヤドカリとイソギンチャク
バリ島トランベンやアメッドのマクロポイントでダイビングすると、変わったカニを数多く見ます。
英語でデコレータークラブ (Decorator crab)と呼ばれ、体にイソギンチャクや海綿(スポンジ)を付けてます。
上の写真はイソギンチャクを身に付けたヤドカリ。
(※全てのヤドカリとイソギンチャクが共生するではないようです。一部のヤドカリが特定の種のイソギンチャクと共生関係を築いているようです。お互い相性があるようです。)
イソギンチャクを付けることで、ヤドカリは捕食者(タコなど)から身を守ります。
タコはイソギンチャクが持つ刺胞毒が嫌いなんです。
一方、イソギンチャクはヤドカリに付くことで、楽に移動でき、ヤドカリの食べかすを栄養源にもします。
他にも、こんな変わったデコレータークラブがいますよ。
ハゼとテッポウエビ
エビはハゼに隠れ家となる巣穴を提供し、ハゼはエビが安全に巣穴を掘れるよう見張り番をします。
一説によると、ダテハゼは巣穴の外では糞(フン)をしないようです。
ダテハゼが巣穴の中でしたフンはエビの貴重な栄養素になっているようです。
キンチャクガニとイソギンチャク
ダイバーに人気のキンチャクガニ。
ボンボンガニ、チアリーダー、ボクサークラブとも呼ばれていますね。
キンチャクガニがハサミに付けているは、カニハサミイソギンチャク(Bunodeopsis prehensa)という毒のあるイソギンチャクです。
キンチャクガニは、ポンポンみたいなカニハサミイソギンチャクを付けて振り回すことで、捕食者から身を守っているんです。また、イソギンチャクの触手を利用して餌も集めています。
キンチャクガニが食べた残骸がイソギンチャクの栄養源となります。
キンチャクガニはイソギンチャクなしでは生きられないの?
未だ、イソギンチャクを全くつけてないキンチャクガニを見たことがないね。
キンチャクガニは、片方のポンポン(イソギンチャク)を無くしても、残ってるポンポンを二つに裂いて同様のクローンをつくるようです。
もし、左右両方のポンポン(イソギンチャク)を無くしたら、他のキンチャクガニからポンポンを奪い取りクローンを作ります。(参考:カニがイソギンチャクのクローン作り共生維持か)
魚のお掃除屋さん「ホンソメワケベラ」と魚達
魚のお掃除屋さんで有名なのが、ホンソメワケベラ。
大きな魚とホンソメワケベラはお互い依存しない、任意共生関係(Faculative)にあります。
ホンソメワケベラにとって、大きな魚の体に付いた寄生虫は貴重な栄養源。
彼らは、大きな魚の体に付いた寄生虫をくまなく食べてお掃除します。
大きな魚達はホンソメワケベラにお掃除してもらう事で体を綺麗に保つことができるんです。
マンタがクリーニングステーションにやって来る意味が分かった!
ホンソメワケベラはいろんな種類の魚達をお掃除します。
クリーナーシュリンプと魚
小さなエビにも、お掃除屋さんはいます。
クリーナーシュリンプは、魚の体に付いた寄生虫を食べながら掃除します。
代表的なのが、アカシマシラヒゲエビ、ホワイトソックス、オトヒメエビ、スザクサラサエビなど。
一緒にいることでお互い利益を得ますが、依存はしてません。
任意共生(Faculative)関係です。
いつもは狂暴なウツボも、この小さなエビには危害を与えません。
気持ち良さそうにお掃除してもらってます。
マンボウとチョウチョウウオ・タテジマキンチャクダイ・海鳥の関係
ダイバーなら一度は見てみたいのが「マンボウのクリーニングシーン」
マンボウの体には約50種類の寄生虫が付いいて、これらを追い払う為、マンボウは大きく水面までジャンプしたり、
クリーニングステーションと呼ばれる場所にやってきます。(バリ島マンボウの秘密に迫る!)
水面までジャンプしたマンボウを待ち構えているのは「海鳥」です。
海鳥はマンボウの体に付いた寄生虫を素早く食べマンボウの体を掃除します。
マンボウは寄生虫を掃除してもらう為、クリーニングする魚が集まる「クリーニング・ステーション」にやって来ます。
そこでで待ち構えているのは、ハタタデダイやタテジマキンチャクダイといったサンゴ礁に住む魚。
マンボウは彼らに体に付いた寄生虫を食べてもらい体を綺麗にします。
魚の片利共生
「片利共生」とは、異なった種の生物が一緒に生活するうえで、一方は利益を受けるが、もう一方は利益も害もない
魚の片利共生関係|10例ご紹介
片利共生10例 Commensalism | |
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コバンザメと大きな魚 (サメやウミガメなど) | 大きな魚はコバンザメに移動手段や餌のおこぼれを提供するが、利害なし。 ただ、コバンザメは大きな魚の体に付いた寄生虫を食べ、お掃除をしているという見解もあり、相利共生という意見も多くある。 |
ウミウシカクレエビとジャノメナマコ | ジャノメナマコはウミウシカクレエビに住処と移動手段を提供するが、 利害なし。ウミウシカクレエビはナマコの体に付いた寄生虫を食べてお掃除しているという説もある。 |
ミズガメカイメンとサクラコシオリエビ | ミズガメカイメンは住処を提供するが、利害なし。 |
バンガイカーディナルフィッシュ(イシモチ類)とガンガゼ | ガンガゼは住処を提供するが、利害なし。 バンガイカーディナルフィッシュは、毒のガンガゼの近くにいることで捕食者から身を守る。 |
バサラカクレエビとウミシダ | ウミシダは住処を提供するが、利害なし。 バサラカクレエビは、家主(ウミシダ)の色に合わせて住むことで捕食から身を守る。 |
コマチコシオリエビとウミシダ | ウミシダは住処を提供するが、利害なし。 コマチコシオリエビは、家主(ウミシダ)の色に合わせて住むことで捕食から身を守る。 |
ムチカラマツと小さなエビ3種 (ムチカラマツエビ・キミシグレカクレエビ・ビシャモン) | ムチカラマツは住処を提供するが、利害なし。 |
ムチカラマツとガラスハゼ | ムチカラマツは住処を提供するが、利害なし。 |
ムチカラマツとイボイソバナガニ | ムチカラマツは住処を提供するが、利害なし。 |
ピグミーシーホースとMuricellaシダ | Muricellaシダはピグミーシーホースに住処を提供するが、利害なし。 |
コバンザメと大きな魚(ジンベエザメ・ウミガメ)
コバンザメは大きな魚の体に張り付き、大きな魚を移動手段として利用。同時に、餌のおこぼれももらいます。
また、大きな魚に張り付くことで捕食者から身を守れます。
一般的には、大きな魚達はなんの利益も害もないと言われています。
一方で、相利共生という見解もあります。
コバンザメは大きな魚の体に付いた寄生虫を食べながら、彼らの体に付いた寄生虫を掃除しているという意見です。
こちらは、モヨウフグとコバンザメ。
(画像をクリックすると動画が見られます)
動画で見ると、コバンザメが一生懸命にモヨウフグの体をお掃除しているように見えます。
モヨウフグも気持ち良さそうです。
ウミウシカクレエビとジャノメナマコ
一般的にウミウシカクレエビとナマコやウミウシは片利共生と言われてます。
ウミウシカクレエビはジャノメナマコやウミウシに付き、外的から身をまもります。
また、餌を探す為の移動手段としても利用します。
ウミウシカクレエビはナマコにくっ付き楽々移動。
餌を見つけたら宿主のジャノメナマコから降り、また別の宿主に乗り換えます。
ナマコにとって、小さなエビが体に付着したところで利益も害もないです。
こちは、オオエラキヌハダウミウシとカンランウミウシについたウミウシカクレエビ。
ウミウシカクレエビは本当にただ乗りしているだけなのかな?
実際、相利共生関係っていう説もあるんだよ。
ウミウシカクレエビは、ナマコやウミウシの体についた寄生虫を食べ、お掃除してあげているって説もある。
ミズガメカイメンとサクラコシオリエビの関係
大きなミズガメカイメン。
バリ島でも、いろんなダイビングスポットで見られます。
ミズガメカイメンのヒダの奥を覗くとサクラコシオリエビを見つけることが多いです。
サクラコシオリエビは、ミズガメカイメンのヒダの奥に住みことで身を守ります。
一方、宿主(ミズガメカイメン)は住処を提供するだけで、無利無害です。
バンガイカーディナルフィッシュとガンガゼ
ガンガゼの長く伸びた棘(トゲ)の先には毒があります。
イシモチ類は毒を持つガンガゼの近くに住むことで、捕食者から身を守ります。
一方、ガンガゼは住処を提供するだけで、無益無害。
写真は「バンガイカーディナルフィッシュ・Banggai Cardinalfish」というイシモチ系の魚です。
インドネシアのスラベシ州中部、バンガイ諸島の固有種の1つ。
世界中でバンガイカーディナルフィッシュが見られるのは、インドネシアのバンガイ島、レンベとバリ島シークレットベイ
だけです。
ガンガゼの目のように見える肛門あたりに、沢山バンガイカーディナルフィッシュの赤ちゃん達が集まってます。
バサラカクレエビとウミシダの関係
カモフラージュの達人と呼ばれているバサラカクレエビは、ウミシダを好んで住処とします。
宿主ウミシダの色に合わせ体の色を変え、見つかりづらくすることで捕食者から身を守ります。
ウミシダは住処を提供するだけで、無益無害です。
バリ島には沢山違った色のウミシダが生息します。
それぞれ覗いてみると、宿主の色と同化して住むバサラカクレエビを見ることができますよ。
コマチコシオリエビとウミシダの関係
ウミシダと共生するのはバサラカクレエビだけではありません。
コマチコシオリエビと言うヤドカリの仲間もいます。
彼もまた、宿主であるウミシダの色に体の色を合わせ、隠れるように暮らしてます。
捕食者から身を守る手段ですね。ウミシダは無益無害です。
ムチカラマツと共生するエビ3種
トランベンやアメッドの砂地や、ムンジャンガンのドロップオフでダイビングをすると、針金のように長く伸びたムチカラマツとうサンゴを目にします。
ムチカラマツをよく見ると、ここを住処とする小さなエビを見かけることがあります。
彼らもまた、宿主の色と体の色を合わせ、ポリプの中にひっそり隠れています。
ムチカラマツは小さなエビ達に住処を提供するだけで、無利無害です。
ムチカラマツとガラスハゼの関係
ムチカラマツはガラスハゼにも住処を提供してます。
ムチカラマツと共生するイボイソバナガニ
ちょっと風変わりなイボイソバナガニを見かけるとこもあります。
ピグミーシーホースとMuricella シダ
ダイバーに人気の高いピグミーシーホースはMuricellaというシダにつきます。
写真を見てわかる通り、ピンクのMuricellaシダにはピンクのピグミーシーホース。
黄色のMuricellaシダには黄色のピグミーシーホースが住んでいます。
彼らはカモフラージュの達人。
大きなMuricellaシダに世界最小といわれるタツノオトシゴ(ピグミーシーホース)を探すのは結構難しいですね。
寄生(Parasitism)ってなに?
ここからは怖い説明です。
寄生とは、一方にだけ利益が生じ、もう一方に害を与える関係
ウオノエ|吸血鬼より怖い寄生虫
ウオノエ科の寄生虫ですが、吸血鬼より怖いですね。
(学名:Cymothoa exigua, 英名:Tongue-eating louse
魚の鰓から体の中に入り込み、魚の舌に定着し舌の血管から血液を吸い取ります。
血液を吸い取られた魚の舌はしおれてしまいます。
ウオノエは、しおれて取れてしまった魚の舌に成り代わり、そのまま居続けるんです。
ツイッターの写真はムラサキ色のウオノエです。
クマノミの口の中に入り込んでます。
海洋生物の捕食(Predation)関係ってなに?
水中世界は平和な関係だけではないですね。
動物もしばしばお互いを傷つけます。
捕食とは捕食者が獲物をとって殺してしまうことです
海の「殺し屋」シャチ
海の捕食者トップはシャチ。
シャチは他の多くの海洋生物をつかまえ、食べてしまいます。
ただし、シャチは他の捕食者に食べられることはありません。
シャチは植物連鎖の頂点にいるってこと?
そうだよ!シャチは「海の殺し屋」
ジョーズで有名なホオジロザメまで食べてしまうだよ。
競争(Competition)海洋生物の闘争とは?
最後は「競争」です。
競争とは、限られた資源をめぐって戦います。
その戦いは、同じ種のメンバー間(種内競争)であったり、異なる種間(種間競争)で発生する場合もあります。
調べてみると、
「サンゴと海綿」、「サンゴ同士の場所争い」、「赤ウニと紫ウニ戦い」
サンゴの光と空間を巡っての戦い
サンゴの成長に大切なのは「太陽の光エネルギー」
ブログの「相利共生」でも明記しましたが、サンゴは褐虫藻と絶対的相利共生関係にあります。
サンゴの体内に住む褐虫藻は太陽の光を浴び、光合成することでサンゴの成長を助けます。
サンゴが成長し、隣り合ったサンゴとぶつかると「光と空間を巡っての縄張り争い」が始まります。
サンゴはクラゲやイソギンチャクと同じ刺胞動物。
サンゴは毒針が入った刺胞(しほう)を攻撃時に使います。
サンゴは動けません。
成長のスピードの速いサンゴは、小さなサンゴの上を覆いかぶさって太陽の光を確保します。
ただ、成長スピードの遅いサンゴは、日当たりスペースを確保する為、刺胞を使って隣のサンゴを攻撃します。
まとめ|思うこと
ダイビングで水中写真や動画を始めると、必然的に魚の行動パターンに興味が沸きます。
海の生き物達は、食物連鎖という大きなむピラミッド型の社会で繋がっています。
ダイビング中、あまり気にかけない藻類も魚の社会で大きな役割を果たしているんですね。
バリ島の海は魚影が濃いことで知られています。
これだけ多種多様な魚達が生息しているのも、ひとえに海中に住む豊富なプランクトンのおかけです。
海の生き物達について知ることで、今後はもっと生物に対し敬意をもって接するようになるでしょう。
「いかに海の生き物に負担をかけずダイビングを楽しむか!」
これはダイビングを行う上で意識しなければならない点ですね。
魚達の「共生」、「捕食」、「競争」関係を知り、彼らに「愛と敬意」をもってダイビングを楽しみましょう!
きっとダイビングがもっと楽しくなります。
参考: