バリ島で大人気「マンボウ」ダイビング!
バリ島でマンボウに会いたい!
バリ島のマンボウシーズンは7月~10月!
この時期、ヌサペニダは南東モンスーンの影響を受け、湧昇流(ゆうしょうりゅう)が発生します。
冷たい水が深海から流れこむこの時期、普段は深場にいるマンボウが浅場に来るんです。
そこで待ち構えているのが、ハタタテダイ達。
彼らはマンボウの体についている多数の寄生虫をお掃除するんです。
大きくって、愛くるしい顔のマンボウが、気持ちよさそうにクリーニングされている姿。
欧米人ダイバーの間では、この姿を見るのが、Bucket List(死ぬまでにしたいことのリスト)の1つだと聞きます。

バリ島のどこでどんな時、マンボウに会えるの?
バリ島でマンボウの遭遇率が高いダイビングスポットとコンディション
現在、バリで遭遇率が高いダイブサイトとコンディションは:
- 遭遇率が高いのはペニダ島周辺とテペコン・ミンパン周辺の比較的中級者以上のポイント。
- 水温が低い方が遭遇率が高いといわれ、水温が20度を切る場合もある。
- 比較的浅場で遭遇する場合もありますが、ダイバーにとっての深場で遭遇する確率の方が高い
「マンボウ」の生態や行動は未だ分からないことだらけ
ダイバーに大人気のマンボウですが、その生態や行動は未だ分からないことだらけです。



マンボウの秘密、知りたいなぁ~!
それでは、マンボウの事いろいろ知ってみよう!
- マンボウの種類とバリ島で見られるマンボウ
- マンボウの変わった生態(体の各部分の働き、内臓、赤ちゃん、何を食べてるの?)
- マンボウは本当に深場と冷たい水が好き?
- マンボウに付く沢山の寄生虫たち
- マンボウダイビングの行動規範(code of conduct)
マンボウの種類とバリ島で見られるマンボウ


一言にマンボウと言っても、現在以下の3種類が認められてます。
そのうち、バリ島で会えるのは「Mola alexandrini・ウシマンボウ」
「マンボウ」はフグ目マンボウ科マンボウ属に分類される魚類
- Bumphead sunfish :学名:Mola alexandrini:和名:ウシマンボウ
- Ocean sunfish or Common Mola:学名 Mola Mola :マンボウ
- Hoodwinker ocean sunfish :学名 Mola tecta和名:カクレマンボウ
2014年時点ではバリ島で見られるマンボウはSunfish Resarchの研究者によりMola Ramseyと認識されました。
その後、2017年に研究者達は「この種のマンボウは1839年に既に存在し、Mola Alexandriniとう学名がある」ことが分かり、現在はMola Ramsayiではなく、Mola alexandrnir(ウシマンボウ)と正しく識別されました。
バリ島では長い間「マンボウ」を「Mola Mola/モラモラ」と呼び、この学名由来の名前は今でもバリ島全体の一般的な呼名としても使用されています。マンボウシーズンにヌサペニダに行くと、ボートの上でボートキャプテンやダイバー達が大きな声で「モラモラ/Mola Mola」って言ってるのを耳にしますよ!
マンボウの体について
マンボウの体のパーツを見てみよう!
マンボウの特徴は大きな体、長く伸びたヒレと小さな口


長いヒレ:
- とっても大きな背びれと、長い尻びれ。マンボウはこれらを左右同時に振って泳ぐんです!
- 後ろに短い尻尾みたいなのが、舵ヒレ。マンボウの尾ビレは生まれた時から大きくならず、大人になるにつれて避け。他の魚のような尾びれという尾びれが無いんです。
- 小さな胸鰭(pectoral fin)
口:フグみたいな口で、ずっと開きっぱなしなんです。
目:丸い目の周りにしっかり筋肉がついているので、マンボウは瞬きができるんです。
顔の横に目があるので、全体を見渡すことが出来ません。モラの真上には行かないように。
鰓(エラ):sunfish は胸ビレの近くにエラ(鰓)があります。



バリ島で見られる「ウシマンボウ」と「マンボウ」の違いが知りたい
①ウシマンボウの舵ビレは丸みを帯びているのに対し、マンボウの尾びれはギザギザしているんです。
②ウシマンボウは英語で「bump-head sunfish」とう名前通り、頭の部分がコブっぽい出っ張りがあります。


マンボウの内臓はココナッツ形
マンボウの面白いのは、内臓部分がココナッツみたいな形をしていているので、一部の科学者の間で、オーシャンココナッツって呼ばれているそうです。内臓は体の前方部分にあり、体全体の1/3を占めているんです。
興味深いのは、とっても薄い皮膚の下にあるコラーゲンの厚い層。この組織の機能は臓器の保護として想定されていて、まだ誰も確信していないそうです。


マンボウには尾びれ、肋骨(ろっこつ)、脊椎(せぼね)が無く。
くちばしのような口は永久に開いたまま。


ハッチアウトした時の生まれたてのマンボウ
生まれた時のマンボウは2mmぐらいの大きさ。それが重さ1000キロまで成長するんです。
雌のマンボウは、一度に300以上の卵を出産すると言われてます。
マンボウは脊椎動物(せきつい)の中でも一度に一番多くの卵を産むんです。
でも、その中で生き残れるのは数少ないとか。
人間の世界と違い、水中世界はかなりサバイバル。
ハッチアウトしたマンボウは星みたいな形で2㎜程度。それがなんと!クラゲを食べて成長し、重さの600万倍まで大きくなるんです!
平均的な大人のマンボウの体重は1000キロと言われてますが、中には2300キロまで成長する巨大マンボウ(ウシマンボウ)もいるそうですよ~。
マンボウの食生活



マンボウって何を食べてるのか知りたい!
マンボウの好物は、深場や浅場にいるクラゲ、クモヒトデやクラゲ類の有櫛動物。
マンボウはとってもユニークな水の吸い方と吐き方があり。水を吐き出して獲物を攻撃し、沢山のクラゲ類を食べるんです。大好物のクラゲでは栄養不足になるので、ものすごい量を食べるみたい
マンボウが好む水温と深度



マンボウって冷たい水と深場が好きなの?
現状では、マンボウは冷たい水と深場を好むと言われてます。
バリの7月~10月は、冷たい湧昇流(ゆうしょうりゅう)がインド洋から上がってきます。
その時マンボウは、体に付いた寄生虫をクリーニングしにダイバーが遭遇できる深度までやってくると言われてます。
この時期、ペニダ島周辺のマンボウの遭遇率の高いダイブサイト(クリスタルベイ、ブルーコーナー、マンタポイントは)水温が20度を切る日も多く。昨年は16度の日もありました。
ただ、マンボウシーズン中でも比較的水温が高い(24度~27度程度)ペニダ島の北側でもダイバーによって観察されています。不思議が多いですね 一般には水温が冷たくないと出ないとの認識が多いですが。ここ2~3年は19度時が多数観察されています。
Ocean Sunfish Researchが、バリで4匹のマンボウ(former Mola Ramse)にポップオフ・サテライト(衛星)タグをつけ、その行動を調査。2016年に発表されたレポートによると、彼らが付けた衛星タグの温度範囲は10度~27.5度と広く。ほとんどの場合、水深250メールより上に生息。(50%が50m~250m、45%が50mより上)。
400mでのデータ観測もありました。


マンボウの共生関係
マンボウとカモメやハタタデダイは相利共生関係にあります。
マンボウに付く50種類の寄生虫
マンボウの体の中や表面には約50種類の寄生虫がついているそうです。
その沢山の寄生虫たちをお掃除してくれるのが、海鳥やハタタテダイ達。
彼らはマンボウの体に付いた寄生虫をお掃除しながら食べているんです。
マンボウは、体に付いた寄生虫を振り払うために猛スピードで水中を移動し、水面へ飛び跳ねることもあるんです。
バリで見たことはありませんが、カモメがマンボウをクリーニングしている姿、見てみたいですね。
(※ブログ:魚の共生|海の生態系を知るとダイビングがもっと楽しくなる!)
マンボウダイビング MAXDIVE的 行動規範:Code of Conduct
下記が理解できているダイビングショップとダイビングを行うとマンボウ観察時間がぐっと伸びます。


- マンボウへは常にゆっくりアプローチ
- マンボウ真上から潜行していくと直ぐマンボウは逃げてしまいます!
- クリーニング行動に入る前後はクリーニングがはじまるまで近づこうとしない
- クリーニング行動中にいる時でも、3mは距離をおく(リサーチ対象時は除く)
- クリーニング中ではないが、マンボウがリーフの方へ近づこうとしている時は、遠目から見守る
- 触れようとない。餌付けはしない
- マンボウが驚くので、マンボウの後方や真上では泳がない
- マンボウの下で泳がない。ダイバーの吐く泡がマンボウを邪魔してしまいます。
- マンボウの泳ぐ方向を妨げない(ブロックしない)
- 写真を撮る時フラッシュは極力使用しない(リサーチ対象時は除く)
- 他のダイバーのことを配慮して写真を撮る。マンボウを独占しない
- ガイドの指示にしたがい、マンボウ遭遇時は観察時間をぐっと長く出来るようにしましょう♪
マンボウって本当に秘密と不思議多き生き物ですね。
かわいくて、秘密多きマンボウ。だからこそ、人気が高いのかな?
少しでも、マンボウについて知ってると、出会った時の感動も100倍に膨らむでしょう!
参考:
- Georgina Hay・Mola Mola Workshop
- Bali Ocean Sunfish Research Project