バリ島で大人気「マンボウ」ダイビング!
バリ島でマンボウに会いたい!
バリ島のマンボウシーズンは7月~10月!
この時期、ヌサペニダは南東モンスーンの影響を受け、湧昇流(ゆうしょうりゅう)が発生します。
この現象により、通常深場にいるマンボウは栄養素を含んだ冷たい水と共に表層に上がって来るんです。

湧昇(upwelling)が発生する時期にマンボウが見られるんだね。
そこで待ち構えいるのはハタタテダイ。
マンボウは体につた多数の寄生虫をハタタデダイに掃除してもらいます。
大きくて愛くるしい顔のマンボウがお掃除されている様子を見るのは、
ダイバーのBucket List(死ぬまでにしたいことのリスト)の1つ。
バリ島でマンボウの遭遇率が高いダイビングスポットとコンディション
バリ島でマンボウの遭遇率が高いダイビングスポットは、ヌサペニダ周辺とテペコン・ミンパン周辺にある比較的中級者以上のダイビングスポット。
一般的に、水温が低く、深い場所での遭遇率が高いです。
この時期、ヌサペニダの有名なマンボウポイントでは水温が20度を切ることがあり、
昨年は16度にまで下がった日もありました。
バリ島でマンボウが見られる確率の高いダイビングポイント
ヌサペニダ | クリスタルベイ |
マンタポイント | |
レンボンガン | ブルーコーナー |
テペコン&ミンパン | ビアハ、テペコン、ミンパン岩礁 |





マンボウって冷たくって深い場所でしか見れないの?
マンボウのクリーニングシーンは、水温が低く、深い場所で多く見られていますが、
比較的水温の高い(24度~27度)ペニダ島の北側にもマンボウは出没します。
クリスタルベイの水深9メートルでもマンボウの泳ぐ姿を見ています。
マンボウはまだまだ不思議が多い生き物ですね。
Ocean Sunfish Researchが、バリで4匹のマンボウ(former Mola Ramse)にポップオフ・サテライト(衛星)タグをつけ、その行動を調査。2016年に発表されたレポートによると、彼らが付けた衛星タグの温度範囲は10度~27.5度と広く。ほとんどの場合、水深250メールより上に生息。(50%が50m~250m、45%が50mより上)。
400mでのデータ観測もありました。



マンボウの生態や秘密、知りたいなぁ~!
「マンボウ」の生態や行動は未だ分からないことだらけ
ダイバーに大人気のマンボウですが、その生態や行動は未だ分からないことだらけです。
それでは、マンボウの事いろいろ知ってみよう!
- マンボウの種類とバリ島で見られるマンボウ
- マンボウの変わった生態(体の各部分の働き、内臓、赤ちゃん、何を食べてるの?)
- マンボウは本当に深場と冷たい水が好き?
- マンボウに付く沢山の寄生虫たち
- マンボウダイビングの行動規範(code of conduct)
マンボウの種類とバリ島で見られるマンボウ


一言にマンボウと言っても、現在以下の3種類が認められてます。
そのうち、バリ島で会えるのは「Mola alexandrini・ウシマンボウ」
「マンボウ」はフグ目マンボウ科マンボウ属に分類される魚類
- Bumphead sunfish :学名:Mola alexandrini:和名:ウシマンボウ
- Ocean sunfish or Common Mola:学名 Mola Mola :マンボウ
- Hoodwinker ocean sunfish :学名 Mola tecta和名:カクレマンボウ
2014年時点ではバリ島で見られるマンボウはSunfish Resarchの研究者によりMola Ramseyと認識されました。
その後、2017年に研究者達は「この種のマンボウは1839年に既に存在し、Mola Alexandriniとう学名がある」ことが分かり、現在はMola Ramsayiではなく、Mola alexandrnir(ウシマンボウ)と正しく識別されました。
バリ島では長い間「マンボウ」を「Mola Mola/モラモラ」と呼び、この学名由来の名前は今でもバリ島全体の一般的な呼名としても使用されています。マンボウシーズンにヌサペニダに行くと、ボートの上でボートキャプテンやダイバー達が大きな声で「モラモラ/Mola Mola」って言ってるのを耳にしますよ!
マンボウの体について
マンボウの体のパーツを見てみよう!
マンボウの特徴は大きな体、長く伸びたヒレと小さな口


長いヒレ:
- とっても大きな背びれと、長い尻びれ。マンボウはこれらを左右同時に振って泳ぐんです!
- 後ろに短い尻尾みたいなのが、舵ヒレ。マンボウの尾ビレは生まれた時から大きくならず、大人になるにつれて避け。他の魚のような尾びれという尾びれが無いんです。
- 小さな胸鰭(pectoral fin)
口:フグみたいな口で、ずっと開きっぱなしなんです。
目:丸い目の周りにしっかり筋肉がついているので、マンボウは瞬きができるんです。
顔の横に目があるので、全体を見渡すことが出来ません。モラの真上には行かないように。
鰓(エラ):sunfish は胸ビレの近くにエラ(鰓)があります。



バリ島で見られる「ウシマンボウ」と「マンボウ」の違いが知りたい
①ウシマンボウの舵ビレは丸みを帯びているのに対し、マンボウの尾びれはギザギザしているんです。
②ウシマンボウは英語で「bump-head sunfish」とう名前通り、頭の部分がコブっぽい出っ張りがあります。


マンボウの内臓はココナッツ形
マンボウの面白いのは、内臓部分がココナッツみたいな形をしていているので、一部の科学者の間で、オーシャンココナッツって呼ばれているそうです。内臓は体の前方部分にあり、体全体の1/3を占めているんです。
興味深いのは、とっても薄い皮膚の下にあるコラーゲンの厚い層。この組織の機能は臓器の保護として想定されていて、まだ誰も確信していないそうです。


マンボウには尾びれ、肋骨(ろっこつ)、脊椎(せぼね)が無く。
くちばしのような口は永久に開いたまま。


ハッチアウトした時の生まれたてのマンボウ
生まれた時のマンボウは2mmぐらいの大きさ。それが重さ1000キロまで成長するんです。
雌のマンボウは、一度に300以上の卵を出産すると言われてます。
マンボウは脊椎動物(せきつい)の中でも一度に一番多くの卵を産むんです。
でも、その中で生き残れるのは数少ないとか。
人間の世界と違い、水中世界はかなりサバイバル。
ハッチアウトしたマンボウは星みたいな形で2㎜程度。それがなんと!クラゲを食べて成長し、重さの600万倍まで大きくなるんです!
平均的な大人のマンボウの体重は1000キロと言われてますが、中には2300キロまで成長する巨大マンボウ(ウシマンボウ)もいるそうですよ~。
マンボウの食生活



マンボウって何を食べてるのか知りたい!
マンボウの好物は、深場や浅い海域に生息するクラゲ、クモヒトデ、またクラゲ類の有櫛動物。
マンボウはとてもユニークな方法で獲物を捕まえて食べます。
かれらは、口から水と獲物を吸い込み、その後水を吐き出して食べるんです。
栄養不足にならないよう、ものすごい量を食べます。
マンボウの共生関係
マンボウとカモメやハタタデダイは相利共生関係にあります。
マンボウに付く50種類の寄生虫
マンボウの体の中や表面には約50種類の寄生虫がついているそうです。
その沢山の寄生虫たちをお掃除してくれるのが、海鳥やハタタテダイ達。
彼らはマンボウの体に付いた寄生虫をお掃除しながら食べているんです。
マンボウは、体に付いた寄生虫を振り払うために猛スピードで水中を移動し、水面へ飛び跳ねることもあるんです。
バリで見たことはありませんが、カモメがマンボウをクリーニングしている姿、見てみたいですね。
(※ブログ:魚の共生|海の生態系を知るとダイビングがもっと楽しくなる!)
マンボウダイビング MAXDIVE的 行動規範:Code of Conduct
下記が理解できているダイビングショップとダイビングを行うとマンボウ観察時間がぐっと伸びます。


- マンボウへは常にゆっくりアプローチ
- マンボウ真上から潜行していくと直ぐマンボウは逃げてしまいます!
- クリーニング行動に入る前後はクリーニングがはじまるまで近づこうとしない
- クリーニング行動中にいる時でも、3mは距離をおく(リサーチ対象時は除く)
- クリーニング中ではないが、マンボウがリーフの方へ近づこうとしている時は、遠目から見守る
- 触れようとない。餌付けはしない
- マンボウが驚くので、マンボウの後方や真上では泳がない
- マンボウの下で泳がない。ダイバーの吐く泡がマンボウを邪魔してしまいます。
- マンボウの泳ぐ方向を妨げない(ブロックしない)
- 写真を撮る時フラッシュは極力使用しない(リサーチ対象時は除く)
- 他のダイバーのことを配慮して写真を撮る。マンボウを独占しない
- ガイドの指示にしたがい、マンボウ遭遇時は観察時間をぐっと長く出来るようにしましょう♪
マンボウって本当に秘密と不思議多き生き物ですね。
かわいくて、秘密多きマンボウ。だからこそ、人気が高いのかな?
少しでも、マンボウについて知ってると、出会った時の感動も100倍に膨らむでしょう!
参考:
- Georgina Hay・Mola Mola Workshop
- Bali Ocean Sunfish Research Project