浮力コントロールが上手くなる10のヒント

初心者ダイバーさんへのアドバイスシリーズNo2.今回は『浮力コントロールが上手くなる10のヒント』です。

浮力コントロールが上手くなる10のコツ:水中を自由に潜れるようになるにはある程度の経験と時間がかかります。『浮力コントロールをマスター』する事は、ダイバーにとって一つの分岐点であり、これから先のダイビングがさらに楽しくなります。 上手に浮力コントロールをする事は水中での安全性と楽しみを最大限に引き出すカギともなります。浮力コントロールが上手くできると水中環境、エア-の消費、水中で良い写真やビデオを撮るということにつながります。また、バリ島のダイビングもそうですが、ロープが無い水中で安全停止をする場合に必要なテクニックになります。

 

『浮力コントロールがとれない』、訂正ウエイトを使用していない』場合、ダイビングの事故につながる可能性が高くなります。少し古いですが、DANによると、1980年から1987年の間、オーストラリアとニュージーランドの100か所のダイビング施設で起きた45%事故はオーバーウエイトによるものでありましょた。

 

中性浮力に影響する6つの主な要因は①ウエイト量②BCDに入れている空気の量、③適正ウエイトで理想的なポジションをとる(とる)④保温スーツ(ウエットスーツ)、⑤深度 ⑥呼吸のコントロール

浮力コントロールをマスターする10のヒントです

 ①ボイルの法則を理解しよう

ダイビングに関係する物理の法則はいろいろあります。その中で「ボイルの法則」は最も重要な法則の一つです。ボイルの法則を簡単にいうと、『温度が一定であれば、気体の圧力と体積は反比例の関係にある』。周囲圧力が増すとガス(空気)の体積は減り、周囲圧力が減るとガス(空気)の体積が増えるということです

この法則を浮力コントロールにあてはめると、潜行するに従い、BCDの中の空気、スーツ、シリンダーや肺の体積は小さくなり、水圧は増します。浮上中はBCDの中の空気、スーツ、シリンダーや肺の体積は増加し、水圧は減少します。ボイルの法則は器材、呼吸のコントロールがどのように浮力コントールに影響するかを説明するのに役にたつ概念です。
★1つの注意点としては、ボイルの法則は、一定の温度でしか動作しません。

 ②訂正ウエイトでダイビングをすること

新しくダイビングを始める人にとって不適正な重さのウエイトでダイビングをする事は最も浮力コントロールに悪影響を与えます。

オープン・ウォーター・ダイバーコースで適正ウエイトの見分け方は学習しますが、インストラクターの判断で(講習中)新しくダイビングを始める生徒ダイバーの方に(その時の海の状況等ケースバイケースで)適正ウエイトより重めのウエイトを着用するよう指示を出す場合もあります。理由は、講習中に水中で生徒さんがコントロールされていない浮上を避けるためや、水中で安定した状態でスキルの練習が出来るようにするためです。

ただ、講習後、ファンダイブに行かれた時も講習時と同じウエイト量(オーバーウエイト)でダイビングを行ってしまうダイバーの方もいます。オーバーウエイトでダイビングをすると必要以上にBCDへの空気の出し入れの回数が増え、その結果、体のバランスがとりにくく、不必要な労力を使うことになつながります。

 ③ウエイトの量は使用している器材やその場の環境にしたがって調整する。

例えば、ウエイトの量はスーツの厚さ、スタイル、シリンダーのタイプによっても変化します。スチールシリンダーはアルミニウムシリンダーよりも浮力が弱く、すべてのシリンダーは空気が空になるほど浮き上がります。新しいスーツは使い古したスーツより浮きやすいです。

ダイビングの深度が深くなるに従い、ウエットスーツの中の空気は圧縮され、浮力は失われるのでBCDに空気を入れて浮力の確保をします。一般的に深場でのダイビング、​​流れの強いポイント(ストロング・カレント)、海水から淡水へポイントを変える場合はその場に合わせた適正ウエイトで潜ります。海水で中性浮力のとれているダイバーは淡水では沈むので海水の時よりウエイトの量は減らします。

 ④浮力のチェックをする

ウエイトの量はウエットスーツの種類、シリンダーの種類、ダイビングのコンディション等によって変わります。ダイビング当日、ダイビング前にその場の環境にあったウエイト量(適正ウエイト)を確認するのは大切な事です。もし、ファンダイブ一本目、違和感があった場合はダイブガイドやインストラクターに伝えこの場の環境にあったウエイトの量(適正ウエイト)を使用するようにしましょう。適正ウエイトを使用する事は安全にダイビングを楽しむ為にとても大切な事です。

 ⑤水中では正しい体制(トリム)をとること

は上手に浮力コントロールをする為の一つのカギとなります。もし、フィンの位置が体と水平でなく正しいフィンキックをしていない場合、水中で体の位置がアップ・ダウンします。そうなると、体のバランスが取りにくくなり、BCDへの空気の出し入れも増えます。水中で水平に正しい体制をとっているにも関わらず体が必要以上に浮き沈みする場合は、ウエイトの位置を調整してみましょう。

⑥BCDの使用に慣れよう。

ご自分の体に対し大きすぎるBCDや小さすぎるBCDを使用するのでなく、体に合ったBCDを使用し、その使い方に慣れる事は安全にダイビングを楽しむことと大きなつながりがあります。BCDが大きすぎると水中でタンクの位置がずれて体のバランスが崩れます。

⑦呼吸の仕方をマスターしよう。

呼吸のコントロールをマスターするのは、ダイビンを始めたばかりの人とって難しいことです。浮力コントロールをとるとき、BCDへの空気の出し入れにかなり頼ってしまうと、体のバランスがとりにくくなります。シンプルな事ですが、沈む時はゆっくりと息を吐く、逆のは場合はゆっくりと息を吸うことが大切です。穏やかな海で何か目標物を決め、BCDの空気の量はそのままで、呼吸のコントロールを試してみると、どれだけ深度に変化があるか知ることが出来ます。ダイビングを始めたばかりの方はこの様な事を意識しながらダイビングをする事で速く上達できると思います。初心者ダイバーの中には潜行が上手くできない為、オーバーウエイトにする方もいますが、安全にダイビングを楽しむ為にも、オーバーウエイトにして無理やり潜行するのではなく、呼吸方をマスターして適正ウエイトでダイビングを楽しみましょう。

ダイビング中は基本的に手を使わない

ダイビング中、浮力コントロールが上手くとれない為、手を使って体の位置や方向を変えようとしている初心者ダイバーの方を多々見かけます。これは労力とエア-のムダ使いにつながります。

また、この様な事を続けていると正しい呼吸方やBCDの使い方を習得するに時間がかかってしまいます。

⑨ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー(PADIスペシャリティー・コース)に参加

このコースでは、中性浮力の取り方をインストラクターの監視下で練習するのもお勧めです。このコースではシリンダーやウエットスーツ、ダイビングの環境によって使用するウエイトの量の見極め。BCDや肺の呼吸コントロールで浮力のコントロールをマスターするテクニックをインストラクターとじっくり練習します。浮力のコントロールをマスターする近道。

⑩ログブックを付ける事。

ログブックにはウエットスーツのタイプ、シリンダーの種類、その時の海のコンディション等を記入するので次回のダイビングの参考になります。ご自分の為でもありますが、インストラクターやガイドも目安になるので、必ずログブックは付けましょう。