長年苦手だったスキル「ホバリング」を克服
今日は朝からプールでホバリングを徹底的に練習。
「ホバリング」の練習をリクエストしたゲストさんは、通称・長ちゃん。
本当はファンダイブ組と一緒にヌサペニダに行く予定だったのですが、急遽、ホバリングの練習に変更。
「とにかく、納得行くまで練習したい!」とのリクエスト。
何年も前に、オープン・ウォーター・ダイバーコースを終了後、直ぐにPPB(ピーク・パフォーマンス・ボイヤンシー)スペシャリティー・コースに参加はしたものの、その時は何が何だか分からないままコースが終了してしまったみたいです。
その後、ファンダイビングの経験本数は増え、ダイビングのレベルもアップ。
ただ、経験本数とレベルはアップしたものの、「中層で中性浮力を取って、ピタッと止まっていられない」という問題が、時間がたてばたつほど、自分の中でドンドン大きななコンプレックスになってしまっていたみたいです。
長ちゃんいわく、「いまさら人には言えない・・・・」って思っていたそうです。
そして、数日前にデジタル・アンダーウォーター・フォトグラフィーSPに参加し、ホバリング/中性浮力の大切さを改めて痛感。
思い切って、自分のダイビングスキルの弱点を相談してくれました。
とにかく、自分が納得の行くレベルに達するまで練習したい。そして、長年のコンプレックスを克服したい!
長ちゃんの思いを知り、ワンツーマンでとことん練習してきました!
中性浮力・ホバリングスキルはダイビングを楽しむ鍵
オープン・ウォーター・ダイバーコースでも学びますが、中性浮力・ホバリング・スキルはダイビングを楽しむ為のカギです!
(※参考ブログ:浮力コントロールが上手くなる10のヒント)
ご存知の通り、
中性浮力・ホバリングが上手く出来るようになると・・・
- 水中で無駄な動きをしなくて済む ⇒ 疲れない、エア-を無駄に消費しない
- サンゴなど、水中生物を傷つけない ⇒ 環境に優しいダイバー
- 中層で安全停止ができる ⇒ 安全ダイバー
- 砂を巻き上げない ⇒ 他のダイバーの迷惑にならない
- 水中で自由にコントロールできる ⇒ 特に、フォト派ダイバーには必要
はい、↑これらの事は十分に理解していますよね。
頭では分かっていても、行動が伴わない。
何度練習しても、上手くいかない・・・
こんなダイバーの方も中にはいます
「ホバリング」とは、中性浮力をとった状態で中層でピタッと静止するスキルです。
まずは、長ちゃん、自分のやり方でトライ!
体が大きく上下。フィンの先が何度もプールの底に触れてしまう。
中層でピタッと止まっていられない。
私⇒「それじゃ~、プールの中の壁にある線を目印しにし、そこの目線を合わせて、練習してみて・・・」
はじめは、BCDの空気を全部抜き、その後、BCDに少し空気をいれて、浮く。
一回で浮かなかったら、またBCDに空気を入れてみる。
その時のカギは、焦ってバタバタしない。落ち着く。そして、空気を入れてから浮くまでの時間差(タイムラグ)を知ること。
BCDに空気を入れても直ぐには浮いてこないので、その時あわてて、バンバン空気を入れない。
必ず、少し遅れて浮いてきます。
BCDに空気を入れすぎたら、抜く。その時も時間差で体が沈んでくるので、あせってバンバン空気を抜かない。
その後は、呼吸でコントロール。
また、息を吸ってから、体が浮いてくるまで時間差があるので、絶対に焦らない。
体が浮いてきたら、今度は息をはく。また、時間差で体が沈んでくる。
呼吸でコントロール(微調整)しながら、ピタッと止まる。
長ちゃん⇒「息を吸って、体が浮いてきたら、勢いよく息をはきますか?そうしないと、ドンドン浮いて行ってしま気がして怖いんですけど・・・」
体が浮いたり沈んだり、上下に大きくぶれるたびに、どうしてもフィン先がプールの底に付いてしまう。
私⇒「え~、長ちゃん、とにかく落ち着いて、足を動かさないで。 フィンを動かして中性浮力を取ろうとするなんで、典型的な悪い例だよ」
長ちゃん⇒「えっ?フィンを使ってますか?」
私⇒「はい、ビデオにちゃんと残ってますよ。大きくバタバタ動かしてないけど、微妙にフィンを使って中性浮力を取ろうとしてるよ」これじゃ~逆効果。
一緒にビデオを見ながら、悪い点を確認。
長ちゃんも、理屈は十分理解しているけど、出来ない。
これはもう、何度も練習して、体で覚えるしかないね・・・・
今度は、姿勢を変えてトライ!
私⇒「長ちゃん、足を下にダラダラさせないて、少し膝を曲げて、手で膝を持って(おさえて)てみたら?」
長ちゃん⇒「OK,でも、そうすると、体がドンドン後ろにそってしまうんですけど・・・・」
私⇒「えっ?それじゃ~、プラスチックのフィンからゴムフィンに変えてみる?・・」
なぜか、それが正解。
長ちゃんにとっては、ゴム製のフィンを使用した方が、バランスが取りやすかったみたいです。
その後も目線の位置を変えながら、練習。
膝を曲げた状態でバランスが取れるようになったら、足をクロスしてフィンを掴む体制に挑戦。
これ、長ちゃんの念願の夢・・・
ゆっくり、焦らず、練習を繰り返すうちに、お見事!
出来るようになりました!
私⇒「長ちゃん、ビデオを取りながら、時間を計っていたんだけど、2分たった時点で計るのやめたよ・・・・」
長ちゃん⇒「大丈夫ですよ、何だかもう~ずっとこの体制で浮かんでいられますよ!」
って、苦手を克服。
その後、プラスチック製のフィンを使用しても、全く問題なく、ホバリング!
二人でハイタッチ!
長ちゃんは1人でガッツポーズ!
達成感に満ち溢れてました!
ダイビングで苦手なスキルがあったら練習しよう!
結局、朝から3時間プールで集中練習。
長ちゃんいわく、集中して、落ち着いて練習できた事が良かったとの事。
そして、練習していくうちに、息を吸った時に体が浮いてくるまでの時間差(タイムラグ)と、息を吐いた時に体が沈んでくるまでの時間差(タイムラグ)が体で理解できてきた様です。
感覚を頭ではなく、体で覚える事は本当に大切ですね。
一度、その感覚を体で覚えてしまえば、息を吸って直ぐに体が浮かなくても焦ることはない。その逆も同じ。
そして、一度体で覚えたスキルは、時間がたっても忘れる事はないですよ。
小さい頃に練習した自転車と同じです。
一度、練習して、一度自転車をこげるようになれば、時間があいても自転車はこげますよね。
今後、ファンダイビングに行かれた際も、(出来る環境であれば)水中で目標物を見つけ、そこに目線を合わせて「ピタッと止まる」練習を意識的に行ったら良いかとおもいます!
長チャン、夜は、自分がホバリングしてる動画を見ながら、大好きなビールを飲んで過ごしたみたいです。
(ちなみに、3分以上ある長いビデオ・・・)
水中で写真を撮るのが、もっと楽しくなるって張り切ってました。
こらからもっとダイビングが楽しくなりますね。
そして、ブルーの中でも落ち着いて、自身を持って、安全停止が出来ますね!
おめでとうございます!
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