バリ島パダンバイ「ジェティ」でダイビング:桟橋の下はウミウシ天国

パダンバイのジェティでダイビング
ここは、バリ島の中でもとてもユニークなダイビングスポット。
桟橋の下を潜る、ちょっと変わったロケーションです。
この日の海況は、透明度12~15メートル、水温28℃、流れもなく、まさにパーフェクト。
やっぱりこの時期は最高です!
今回は、アドバンス講習チームとマクロチームに分かれてのダイビングでした。

柱はソフトコーラルに覆われ、その間を小魚やヒメツバメウオがカーテンのように群れをなして泳ぎ回る。

ソフトコーラルの間には、小さなウミウシたちがたくさん隠れていて、じっくり探すのが楽しいポイントです。
中には、初めて見るウミウシもいて、感動!そして、いつもは見向きもしないムカデミノウミウシの、ちょっと変わった個体も発見しました!
さらに、かわいいカエルアンコウにも出会えました。
それでは、ここで出会った魚たちと、桟橋(ジェティ)の背景を紹介します!
初めて出会ったウミウシたち
ミチヨミノウミウシ
- 学名:Trinchesia sibogae
- 英名:Tropical Gasflame
全長1センチもない、小さななウミウシ。

見る角度によって、違ってみえますね。

こちらも、ミチヨミノウミウシ。別のロケーションにいました。

セスジミノモドキ
- 学名:Coryphellina sp
セスジミノウミウシは有名ですが、モドキもいるんですね。
初めて知りました。

桟橋の柱にひっそり暮らすウミウシたち
アデヤカミノウミウシ
- 学名:Coryphellina exoptata
- 英名:Desirable flabellina/much-desired flabellina

ヒュプセロド―リス・キャサリンアエ
- 学名:Hypselodoris katherinae

アデヤカイロウミウシ属の一種/Goniobranchus sp
- 学名:Goniobranchus sp
世界のウミウシ図鑑でいうと、アデヤカイロウミウシの一種15

マダライロウミウシ
- 学名:Hypselodoris tryoni
- 英名:Tryon’s hypselodoris

砂地にひっそり現れるウミウシたち
ロータスミノウミウシ
- 学名:Coryphellina lotos
ロータスミノウミウシかと思いますが、セスジミノウミウシ属の一種であることは確かでしょう。

トサカリュウグウウミウシ
- 学名:Nembrotha cristata
- 英名:Cabbage(patch) sea slug/Crested nembrotha

ムカデミノウミウシ
- 学名:Pteraeolidia semperi
- 英名:Blue dragon nudibranch

Pteraeolidia semperi species complex/ムカデミノウミウシコンプレックスの種複合体?
見た目はムカデミノウミウシそっくりだけど、体の長さが短い

桟橋の柱に住むカエルアンコウ
イロカエルアンコウ
- 学名:Antennarius pictus
- 英名:Painted frogfish

白と黒がペアでいますが、ゲストの方はオレンジ色と黒のペアも見られました。
砂にを這いつくばって探すと・・・
セミホウボウ
- 学名:Dactyloptena orientalis
- 英名:Oriental flying gurnard
扇子のように広がる大きな胸鰭が特徴!なかなか正面を向いてくれません。

シマウミウヘビ
- 学名:Myrichthys colubrinus
- 英名:Banded snake eel/Harlequin snake eel
昆虫類のウミヘビとは違い、魚類のウミヘビなのでエラ呼吸。毒は持ってません。

イロカエルアンコウ
パダンバイのジェティ(桟橋下)には、オオモンカエルアンコウが多く生息するってイメージが強かったのですが、
これはイロカエルアンコウかな?オオモンカエルアンコウとの見分けが難しいです。胸鰭の軟条(なんじょう)数が10本なのか11本なのか、残念ながら見分けがつきません。

パダンバイ:ジェティ(Jetty)の背景と魅力
パダンバイのジェティはもともと大型クルーズ船の発着所として建設されました。ただ、2009年に完了したものの、国際的な安全基準を満たしていなかったため、実際に使用されることはありませんでした。
現在は、全長約300メートルある桟橋(ジェティ)は地元の漁師たちが釣り場として活用しており、ジェティ周辺は釣り糸や魚網など漁具のゴミが見られます。しかし皮肉なことに、こうしたデブリ(海洋ゴミ)がダイバーの間ではマックダイビング(Muck diving) スポットと知られるようになりました。
なぜこのような場所に珍し生物が多く集まるのでしょうか?
捕食者やライバルの少ない環境、隠れやすい地形、栄養豊富な泥底など、さまざまな要素が絡み合い、普通のサンゴ礁では出会えない生き物達にとって理想的な住処になっているのでしょう。
実際に潜ってみると、こうした環境に適応してたくましく生きる生物たちの姿から、驚くほどの生命力と高い順応力を感じます。まさに、これがパダンバイ・ジェティの大きな魅力のひとつです。
今回のゲストの方は本当に知識が豊富で、お話を通して多くの学びがありました。
ご一緒できて良かったです。ありがとうございました。

パダンバイは南部リゾート(サヌール)から車で1時間。
比較的近場で楽しめる、人気ダイビングスポットです!
