ヌディアンテナリウス・サブテレス|通称レンベフロッグフィッシュの季節
バリ島はカエルアンコウのシーズン!
9月中旬頃からバリ島東北部(アメッド)のマクロポイントに沢山のカエルアンコウが現れてます。
今回出会ったカエルアンコウの中で、特に目を引いたのがヌディアンテナリウス・サブテレス(Nudiantennarius subteres)。
通称レンベフロッグフィッシュ(Lembeth Frogfish)。
とにかく、数がすごかった。
1日のダイビングでこんなに沢山のレンベフロッグフィッシュを見たのは初めてです。
ここでは、日本では少しレアなヌディアンテナリウス・サブテレスをご紹介します!
ヌディアンテナリウス・サブテレスって?
ヌディアンテナリウス・サブテレス(Nudiantennarius subteres):通称「レンベフロッグフィッシュ」
はじめて『レンベフロッグフィッシュ』が発見されたのはフィリピンとインドネシア。
彼らは長いこと正式な名前が無く、カエルアンコウ科の一種オセレイテッド・フロッグフィッシュ(Antennatus sp./Ocellated Frogfish ):通称レンベフロッグフィッシュと呼ばれていました。
2017年11月に発表された学科論文(Theodore Pietsch and Rachel Arnold)でオセレイテッド・フロッグフィッシュはヌディアンテナリウス・サブテレス(Nudiantennarius subteres)と識別され、再掲載されました。
今でもダイバーの間では通称レンベフロッグフィッシュと呼ばれています。
予断ですが、Nudiantennarius subteresは以前「Deep-water frogfish/ディープ・ウォーター・フロッグフィッシュ」とも呼ばれ、すべて深海で見つかったいくつかの標本からのみ知られていたそうです。
ヌディアンテナリウス・サブテレスの特徴は?
ヌディアンテナリウス・サブテレス、通称レンベフロッグフィッシュの特徴で真っ先に思い浮かぶのが①黒っぽいボディ-と、②はっきりした眼状斑。
この2つ以外にまだあるんです。
特徴① 背ビレ辺りにある大きなオレンジ色や淡い色の眼状斑(Ocellus)があります
かなり特徴的なので他の種と見分けるのは簡単です。
特徴② 尾ビレに沿った白い線(?)ただ、ない場合もあるらし
調べて行くうちに分かったのがですが、ヌディアンテナリウス・サブテレスは真っ黒な色だけではないんですね。バラエティーがあります。
例えば、以下の写真は茶色っぽい色をしてます。
尾びれを閉じていて、眼状紋(眼状斑)が分かりにくいですが、こちらも『Nudiantennarius subteres/ヌディアンテナリウス・サブテレス』でしょう(!?)。(※参考:www.frogfish.ch)
動画から切り抜いたので、良い写真ではありませんが、以下の写真は飛び跳ねたシーンです。
眼状斑と、尾びれを囲む白い線(?)が分かります。
特徴③ 胸ビレ(pectoral fin)の先(つま先みたいなの)が長い
特徴④ 眼状斑の数は必ずしも左右同一ではないようです。また、複数ある場合もあるらしい
例えば、黒っぽい色のヌディアンテナリウス・サブテレス
右側と左側の背ビレ付近にある眼状斑の数が違います。
その他の特徴
- 第1背ビレ棘は第2背ビレ棘より短い。(2番目の背ビレの方が目立っている)
- エスカ(擬似餌)は小さく丸く、短い糸見たいなのが付いている
- エスカ(ルアー)は第2背ビレに沿っている
- 第2背ビレ棘が異常に長く、キマクがない
- 第3背ビレ棘は三角形みたいな形をしている
バリ島で見られるカエルアンコウの種類と場所
現在認識されているカエルアンコウの種類は48~52種だそうです。
そのうち、我々ダイバーが目にするのは10種類あるでしょうか?
「10種類だけ~」って思うかもしれませんが、各種にバリエーションがあり、全てをハークして見分けるのは大変です。
特に、幼魚になると難易度はウルトラ級。
バリ島では、通年カエルアンコウを見ることができますが、乾季から雨季の変わり目ぐらいから種類と数が増えてきます。
年によって変化はありますが・・・・基本、雨季は小さくて可愛いお魚達を見ることができます。
バリ島でよく見られるカエルアンコウ
- オオモンカエルアンコウ
- クマドリカエルアンコウ
- イロカエルアンコウ
- ベニカエルアンコウ
- ヘアリーフロッグフィッシュ
- カエルアンコウ
バリ島のスゴイところは、それぞれの種類の中で、様々な色や柄のバリュエーションのカエルアンコウが生息することです。
- オオモンカエルアンコウ
学名:Antennarius commerson
英名:Giant frogfish -
バリ島の様々ななダイビングスポットで見られます。
パダンバイのジェティでは季節により、泳ぐオオモンカエルアンコウ達が出没します。 - クマドリカエルアンコウ
学名:Antennarius maculatus
英名:Warty Frogfish
- ベニカエルアンコウ
学名:Antennatus nummifer
英名:Spotfin frogfish -
メッドやトランベン周辺のマクロポイントで見かける頻度が多いです。
- イロカエルアンコウ
学名:Antennarius pictus
英名:Painted frogfish -
アメッドやトランベン周辺のマクロポイントで見かける頻度が多いです
- ヘアリーフロッグフィッシュ
学名:Antennarius striatus
英名:Hairy frogfish -
アメッドやトランベン周辺のマクロポイントで見かけます。
稀に、プリジャティ(PJ)でも見かけます。 - ヌディアンテナリウス・サブテレ
学名:Nudiantennarium subteres
英名: -
以前トランベン周辺のマクロポイントで見ましたが、今回はアメッドに多く出没してました。
- ボンボリカエルアンコウ
学名:Antennarius hispidus
英名:Shaggy angler -
バリ島北東部にあるシークレットベイ
- ハナオコゼ
学名:Histrio histrio
英名:Sargassum Frogfish -
季節的にアメッドのマクロポイントに出没する時もあるようです。
※参考資料:Teresa Zubi さんのwww.frogfish.ch
カエルアンコウについてかなり詳しく説明されているので、おススメです。