2026年バリ島|マンボウは当たり年?海の変化でどうなる

バリ島マンボウシーズン、海の変化

2026年、バリ島はマンボウの“当たり年”になるでしょうか。

結論から言うと、
2026年はエルニーニョと正のインド洋ダイポールの影響により、
マンボウにとって有利な海の構造が生まれる可能性が高い年といえそうです。

マンボウは謎の多い魚で、その行動にはまだ分かっていないことも多くあります。
だからこそ、出会いは偶然のように見えます。

しかし実際には、条件が揃ったときに現れる“現象”でもあります。

海の中では、水温の変化や栄養の流れといった環境が絶えず動いており、
その変化がマンボウの出現を大きく左右しています。

そのカギになるのが、
南東モンスーンによって毎年起こる湧昇流(upwelling)と、
年ごとに変動する気候の重なりです。
この2つが重なったとき、
海の中では“決定的な変化”が起こります。

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目次

2026年はなぜ注目されるのか

2026年が「当たり年」と注目されているのは、単なる予想や感覚ではありません。

直近4月、NOAA、JAMSTEC、Bureau of Meteorologyといった主要な気象機関が、重要な予測を発表しています。
それによると、今年の夏以降は60〜80%という高い確率でエルニーニョへ移行する見込みです。

さらに今回は、2023年のケースと同じように 、正のインド洋ダイポール現象が同時に発生する可能性も指摘されています。

この2つが重なると、海の状態は大きく変わります。

深い場所にある冷たい水が表層へと上がりやすくなり、
アップウェリング(湧昇)が強まる傾向があります。

その結果、普段は深い場所にいるマンボウが、
ダイバーの手の届く水深まで引き上げられてくる「構造」が出来上がるのです。 

ただし近年は、地球温暖化の影響もあり、
水温自体は以前ほど大きく下がらない可能性も指摘されています

水温の数値はもちろん大切ですが、その背景にある『海の構造の変化』を知ることも同じくらい重要です。
暖かい水の層が薄くなり、冷たい水が上昇しやすくなる。
この仕組みが整うことで、マンボウとの出会いの可能性が高まります。

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バリ島マンボウシーズンと出現の仕組み

バリ島の海でマンボウに遭遇するためには、いくつかの明確な条件があります。

特に重要なのは、「冷たい水」と「豊富な栄養」が同時に存在すること。

この環境を作り出すのが、南東モンスーンによって引き起こる「湧昇流(upwelling)」という現象です。

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南東モンスーンと湧昇流(upwelling )の関係

マンボウの出現を大きく左右するのが、4月~10月にかけてオーストラリア大陸から吹く季節風(南東モンスーン)です。

この風が海の表層にある暖かい水を沖へと押し出すと、その空いた場所を埋めるのように、
深海から冷たく栄養豊富な水が上昇してきます。これが「湧昇流」の正体です。

湧昇流/upwelling、バリ島マンボウシーズン

これが、すべての出発点。

海の表層では水温が低下し、
深海から栄養が供給されることで、生態系の生産性が高まります。

さらに湧昇流(upwellign) が強まると、サーモクライン(冷たい水の境界)が浅い位置まで持ち上がり、
通常は深い水深にいるマンボウが、ダイバーの活動水深に近い場所で観察される可能性が高まるんです。

冷たい水がより浅い位置まで引き上げられ、栄養も豊富になります。
こうした環境が整うことで、マンボウは浅い場所まで姿を見せるようになります。

これが、マンボウが浅場に現れる大きな要因のひとつです。

👉湧昇流と気候の関係についてはこちらで詳しく解説しています

バリ島特有の環境:海流と地形の影響

バリ島周辺がマンボウの聖地と呼ばれる理由は、特別なのは、(upwelling) だけではありません。
このエリアが特別なのは、「巨大な海流」と「ダイナミックな地形」が組み合わさっているからです。

海の動脈「インドネシア通過流(ITF)」の恩恵

バリ島は、太平洋とインド洋をつなぐ海流「インドネシア通過流(ITF)」が通過する重要な場所に位置しています。

この巨大海流が通り抜けることで、バリ島周辺の海では常に異なる性質の水が入り混じり、酸素と栄養に満ちた、極めて変化に富む環境が作り出されます。

インドネシア通過流(ITF)を示す図、バリ島ヌサペニダ周辺

ヌサペニダの地形の影響

さらに、マンボウの主要ポイントであるヌサペニダ周辺には、ドロップオフやチャネルなど複雑な地形があります。

この「複雑な地形」に「巨大な海流(ITF)」がぶつかることで、潮の流れは速まり、海の動きをさらにダイナミックにします。その結果、ヌサペニダ周辺には、「変化が大きく、生態系が活発になりやすい環境」となっています。

こうした海流と地形の相乗効果によって、冷たく栄養豊富な水を引き寄せられ、マンボウのような大型回遊魚が現れやすい条件が整うのです。

海の“背景”を変える気候現象

バリ周辺の海は、毎年同じように見えても、実は年ごとに状態が大きく変化しています。
その変化を生み出しているのが、エルニーニョ/ラニーニャ(ENSO)
インド洋ダイポール(IOD)といった気候現象です。

ENSO(エルニーニョ)— 海の“暖かい水の分布”が変わる

エルニーニョ現象

エルニーニョというと「猛暑になる現象」というイメージが一般的ですが、
実際には、太平洋全体で“暖かい水の分布”が変わる現象です。

通常の状態

太平洋では、東から西へ吹く貿易風によって、海の表面の水は西へ押し流されています。
その結果、インドネシア周辺には暖かい水が集まり、“分厚い層”として存在しています。

エルニーニョが平常時を表す図。水温変化

これが「暖水プール」と呼ばれる状態です。

エルニーニョで起きる変化

エルニーニョが発生すると、この貿易風が弱まります。

エルニーニョ発生時を表す図。水温変化

すると、それまで西に押し込められていた暖かい水は、
その場にとどまれなくなり、中央から東太平洋へと広がっていきます。

インドネシア周辺で何が起きるのか

暖かい水の層が薄くなることで、
その下にある冷たい水との距離が近くなります。

その結果、風による海水の動きによって、
冷たい水がより浅い位置まで上がりやすくなります。

エルニーニョは「海が暖かくなる現象」と思われがちですが、
実際には暖かい水の“位置と厚み”が変わる現象です。

そのため、インドネシア周辺では水温が下がる方向に変化することがあります。

なかでも、バリ島(ヌサペニダ周辺)は海流や地形の影響を受けやすく、

その変化がより現れやすい場所です。

インド洋ダイポール現象 — バリに直結する水温変化

インド洋ダイポール現象(IOD)は、インド洋の東西で水温のバランスが変化する現象です。
特に正のインド洋ダイポール現象(正のIOD)が発生すると、インドネシア周辺の海に大きな変化が起こります。

■ 正のダイポール現象(正のIOD)で起きる流れ

インド洋ダイポール現象(IOD)を説明する図

インド洋の風のパターンが変わり、
海の表面の水がインドネシア側から西(アフリカ側)へ押し出される。すると、インドネシア周辺では表層の水が減り、その空いた場所を埋めるように、深い場所から冷たい水が上昇します

何が変わるのか

水温が下がり、同時に栄養が供給される。

なぜバリで影響が強く出るのか

バリ島はインド洋の東端に位置し、
こうした海の変化の影響を直接受けやすい場所です。

そのため、他の地域と比べて水温の変化やアップウェリングがよりはっきりと現れる。
これが、バリで影響が強く出る理由です。

エルニーニョとの違い

エルニーニョは、太平洋全体の暖かい水の分布を変える現象です。
一方でIODは、インドネシア周辺の海そのものを直接動かす現象です。

そのため、バリのような局所的な海況に関しては、
正のIODの方が強く影響するケースもあります。

2026年、マンボウの当たり年になるのか? (まとめ)

2023年は、エルニーニョと正のインド洋ダイポールが同時に発生し、バリ島は記録的なマンボウの“当たり年”となりました。

2026年も同様の条件が重なる可能性が極めて高く、数年に一度の特別なシーズンになることが期待されています。

マンボウとの出会いは、潮の動きや潜るタイミング、そして現地の最新海況をどう読み解くかに左右されます。しかし、こうした海の変化をあらかじめ理解して潜ることで、その遭遇率はぐっと現実的なものになります。

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「どのポイントが最適か?」「自分の経験本数で潜れるか?」など、気になることがあれば、どうぞお気軽にご相談ください。 バリ島の海の構造を知り尽くした私たちが、あなたにとって最高のマンボウ体験を全力でコーディネートします。

【アドバイス】 マンボウが現れる時期は水温が20℃を下回ることも珍しくありません。
最高のコンディションで挑めるよう、厚手のウェットスーツやフードベストなどの防寒対策、
そして酔い止めの準備も忘れずに!

参考資料:

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