60代バリ島でダイビング・ライセンス取得|シニアダイバー冒険の始まり
定年後に新たな挑戦へ向けて踏み出すって、本当に素敵ですね。
過去3か月で、60代の3名がPADIオープン・ウォーター・ダイバーライセンスを取得しました。
そのうち2人は、オープンウォーターダイバーだけでは飽き足らず、アドバンス・ダイバーのライセンスも取得。
私は、彼らの講習をサポートしながら「こんな風に人生を楽しめたら良いな」と心から思いました。
『いつかやってみたい!』という漠然とした思いを現実にするには、確かなエネルギーが必要です。
年齢が上がるにつれて、踏み出す一歩にためらいを感じたり、夢を諦めてしまうこともあるでしょう。
しかし、ここで紹介する3人の方々は、まさにその逆です。
彼らは興味を持ったことに大胆にチャレンジし、新たな経験を楽しむことに活力を注いでいます。
この記事では、そんなパワフルなシニアダイバー3人のリアルな体験談と感想、3人の共通点、シニアダイバーならではの注意点と、バリ島でのアドバイスをご紹介します。
彼らの人生から得られるインスピレーションに、きっとあなたも共感することでしょう。
3人のリアルなエピソードとダイビング・コース参加の感想
「オープン・ウォーター・ダイバーコース」と「アドバンスダイバーコース」。
ダイビング・コース中は、かなり濃密な内容を学びます。
それでは、60代3人のリアルなエピソードと、実際にダイビングライセンス取得コースに参加した際の感想を紹介します。
現役サーファーの冒険
66歳の参加者であるAさんは、現役のサーファーとして日々を送っています。
海との絆を大切にし、10代からサーフィンの魅力を追求してきました。
バリ島は彼にとって、若いころから何度も訪れてきた特別な場所。
今回のバリ島滞在は、サーフィンとダイビングライセンス取得を両立させるための1ヵ月間。
新たな海の冒険が彼を待っていました。
海に慣れているAさん、プール講習も海洋実習もスムーズにこなしました。
水中での無重力感や、目の前で可愛い魚たちを見る喜びは、サーフィンでは得られない特別な体験。
Aさんは「水中の美しさや神秘的な生態系に触れることで、新たな視点を手に入れた気がします」とコメント。
サーフィンとは異なる冒険心が彼をアドバンスダイバーへの駆り立てました。
彼は、「ダイビングはサーフィンよりも穏やかでありながら、同じぐらいのエネルギーを感じることができます。
その為、これからもダイビングを続け、海の中の新たな発見を楽しんでいきたい」と希望を語ってくれました。
世界を旅する大の爬虫類好きがダイビングにはまる
もう一人の参加者、Bさんは世界を旅する大の昆虫好き。
3週間バリ島滞在中、コモドオオトカゲ(コモドドラゴン)を見に弾丸でコモドツアーに参加するなど、彼の冒険心は陸地でも活発。
オープン・ウォーター・ダイバーコースに参加し、バリ島の水中に潜った瞬間、かれの新たな冒険がはじまりました。パダンバイの水中でウミヘビに出会い、彼は水中生物の世界に魅了されてしました。
探求心旺盛のBさん、オープン・ウォーター・ダイバーコースでホバリングスキルも完璧にこなせるまでになりました。
Bさんもまた、オープンウォーターダイバー取得後、もっと楽しみたくアドバンスダイバーのライセンスを取得。
そして、念願のウミガメに遭遇!
Bさんは「ダイビングは陸上では見られない生物と出会うチャンスをくれました。これからは海と陸地、両方の世界を楽しんで冒険の幅を広げて行きたい」と語ってくれました。
写真好きの60代、水中写真を孫に見せてあげたい
最後の参加者、Cさんは写真好きの60代です。
彼の目標は、水中写真を通して孫に素晴らしい体験を共有すること。
偶然にも、今回Cさんが参加したオープン・ウォーター・ダイバーコースとほぼ同時期に、ジュニア・オープン・ウォーター・ダイバーコースに参加中の小学生が2人いました。
子供が大好きなCさん。大勢でワイワイするのも大好き。
なので、講習中はお爺ちゃん的な存在。
元船長さんだったCさん、コンパス使いはお手の物。
子供たちにアドバイスを与えたり、みんなから慕われていました。
講習最終日は、持参したGoProで子供たちやクマノミの水中動画の撮影に挑戦。
以下の2枚はCさんが撮ったカクレクマノミの写真です。
後からメールで送ってくれました。
Cさんは「子供たちと一緒に和みながらダイビングの講習が出来たことに満足。そして、ダイビングは私に新たな趣味と目標をくれました。水中での写真や動画を通じて、家族や孫にも他のいい瞬間を共有できることを楽しみにしています」とおっしゃってました。
海と夢、3人のシニアダイバーの共通点
今回の参加者には共通した4つの特徴がありました。
① 皆さん海に慣れていること
例えば、66歳で参加された方は現役のサーファーです。
他の参加者たちも、偶然にもトライアスロンをしている方々でした。
どの方も水泳が得意で海に慣れてます。
② 自分の体力の範囲を良く理解していること
日々スポーツをしているため、自分の体力の限界を把握しています。
ダイビングはAさんにとって、水中世界への初めての探検でした。
最年長のサーファーの方も、余裕を持ったスケジュールでオープンウォーターダイバーコースに参加されました。
人気のあるeラーニング+3日間コースでなく、余裕をもってeラーニング+4日間コースを選びました。
ダイビングは人と競いあうスポーツではありません。安全かつ楽しいダイビングを行うためにも、基本スキルを無理せず自分のペースでしっかりと身につけることが大切ですね。
今回、eラーニング+3日間コースに参加された2人の方も、時間をかけてコースを進めました。
③ 探求心を持っていること
今回の参加のうち、2人の方がオープンウォーターダイバーライセンス取得後、ファンダイビングにも挑戦しました。
ファンダイビングに参加後、オープン・ウォーターダイバーに物足りなさを感じ、アドバンスダイバーのライセンスも取得されました。
冒険心と新たな体験への好奇心が彼らを前向きに導いたのです。
初めて潜るダイビングスポットで感じるワクワク感は、言葉では表せないね。
ダイビングを通して得る知識と体験は、何とも言い表せない満足感をもたらしてくれます。
④ 夢を持っていること
皆さん未来に向けた夢と希望を持っていること。
オープンウォーターダイバーライセンスを取得した後、彼らはすでに新たな冒険の扉を開く準備を進めています。
『次はどこの国でダイビングを楽しもうかな?』
これまで多くの国を訪れてきた方も、今回のダイビングライセンス取得により、旅の選択肢が大きく広がったと喜んでいました。
ダイビングを通して世界中を旅し、様々な国の文化に触れる。
旅の計画を練る瞬間からウキウキするね!
新たな冒険への期待が、人生に活気とエネルギーをもたらしてくれる!
シニアダイバーならではの心得え
ダイビングを安全に楽しむためには、自己管理と過信しないことが大切です。
ここで紹介した3人のシニアダイバーは、日頃から積極的に運動を取り入れています。
しかし、シニアの方々の中には運動をしない生活を送っている方も多いことでしょう。
ダイビングの死亡事故と肥満の関係は、調査によって明らかになっています。
シニアダイバーの方々も、自身の健康状態をしっかり把握し、適切なトレーニングや健康管理を心掛けることが重要です。
また、自分のスキルや体力を過信する事も危険です。
ダイビングは確かなスキルと冷静な判断が必要なアクティビティです。自分の限界を理解し、無理なくダイビングを楽しむことが安全ダイビングの基本です。
人生経験豊富なシニアの方々も、他のダイバーの行動や言葉に流されてしまうことがあるかもしれません。
しかし、体調が万全でないと感じたり、スキルに不安を感じた場合は、自分の安全を最優先に考え、遠慮なく「NO」と言える勇気を持つことがことが非常に重要です。
自分の無理な挑戦が逆に危険を招く可能性もあります。
ダイビングスキルや体力、そして十分な時間的余裕を持ってダイビングを行いましょう。
バリ島ダイビングでのアドバイス
①ゴロタ石の上を歩くビーチエントリー
人気の高いトランベンの沈船ポイントは、ゴロタ石の上を歩いてビーチからエントリーします。
波がある日はエントリーとエキジットに注意が必要です。特に足腰が弱い方は、ためらわずにスタッフのサポートを利用しましょう。
②乾季に水温が下るポイント
乾季のバリ島は水温が下がるポイントがあります。
特にヌサペニダのマンタポントやクリスタルベイは、水温が極端に低くなることもあります。パダンバイも同様です。水温が変わりやすく、低くなる日もあります。
ボートから行き成りエントリーするのでなく、体や顔、頭などの水をかけ、少し水温に慣れた状態でエントリーするようにしましょう。
まとめ|自身の可能性を信じる力
今回、3名のシニアダイバーの方々と講習を共にし、年齢に関係なく夢や興味を追求し、新たな経験を楽しむことの素晴らしさを実感しました。
彼らは豊かな人生経験を持ち、医療関係、エンジニア、船舶関係など、様々な分野でエクスパートとしての一面を持っています。ダイビングの講習やファンダイビングを通し、私も彼らから多くの事を学ぶ機会となりました。
彼らは過去の経験を活かし、未知の世界への挑戦する姿勢は、私にとって大きな刺激となりました。そして、いろいろな経験を積むことで培われる『自身の可能性を信じる力』に触れることが出来ました。
この貴重な宝物を共有してくれたことに、心から感謝しています。
これから、新たな冒険を心ゆくまで楽しんで下さい。