ダイビングは本当に癒し?怖かった私が、楽しめるようになるまで

先日、ダイビングの「癒やし効果」が科学的に実証されている、という記事を目にしました。
でも、その記事を読みながら、ふと疑問が浮かびました。
多くの人にとって、ダイビングはリラックスできる体験だと思います。
ただ、中には、最初はまったく癒されず、緊張や不安でいっぱいになる人もいるんです。
正直に言うと、私自身もダイビングを始めた頃は、まったくリラックスできませんでした。
眺めているだけの海は癒しそのものなのに、いざ潜ると呼吸は怖いし、閉鎖的な環境や予測できない水中の状況に、緊張で心がいっぱいになっていたんです。
「癒される」と言われるダイビングなのに、
なぜ私はすぐにその効果を感じられなかったのか。
その理由も含めて、
✔ 科学的に分かっていること
✔ 私のリアルな体験
この2つを重ねながら、初心者はもちろん、しばらくブランクがあって海から離れてしまった人でも無理なく潜れるヒントを紹介していきます。
なぜ初心者の私はダイビングで癒されなかったのか?

「ダイビング=癒し」と聞くけど、正直、最初の私はまったくそんな余裕はありませんでした。
ダイビングを始めたばかりの頃、グループで潜ったときに怖くなり、仲間を巻き込んでしまったことがありました。
「迷惑をかけたくない」という気持ちが、逆にプレッシャーになっていたんだと思います。
慣れたポイントでは落ち着いて潜れていても、初めてのポイントでは緊張が止まらない。
エントリーの瞬間は大丈夫でも、少し時間が経つと、突然不安が押し寄せてきて、頭の中を支配していました。
ノンダイバーの友達に、「そんなに怖がってるのに、なんでダイビングやってるの?」と言われていたくらいです。
今振り返ると、私にプレッシャーを当てていたのは、大きく3点ありました。
① 考えすぎてしまう「予期不安」
- 呼吸は大丈夫かな?
- 深く潜るのかな?流れがあるのかな?
- 周りに迷惑をかけたらどうしよう?
潜る前から、こんなことばかり考えていたので、リラックスどころか、心は常に緊張状態でした。
② 「すぐに逃げられない」ことへのプレッシャー
陸上なら、「嫌だな」と思えばその場を離れられますが、水中では簡単に浮上できません。
「何かあっても、すぐ逃げられない」という感覚が、常に頭の片隅にあった気がします。
③「みんなについて行かなきゃ」という焦り
「バディシステム」は本来、安心・安全のための仕組みですが、当時の私には、「遅れたら迷惑」「リタイヤしたら雰囲気を壊すかも」というプレッシャーとして感じられていました。
「癒し」にならない心理的な仕組み
科学的には、ゆっくりした呼吸や静かな環境は「癒し」に働くとされています。
でも、初心者のうちはその“癒しの要素”が、逆に不安を刺激してしまうこともあります。
・呼吸を意識しすぎて苦しくなる
・静かな世界が孤独や不安に感じる
・ふわふわ浮く感覚が「コントロールできない怖さ」になる
これらは、癒しを感じる前の段階で、
脳が「まず安全かどうか」を必死に確認している状態なんでしょう。
だから、癒しを感じられなかったのは、心が弱かったからではなく、
単に“まだ慣れていなかっただけ”だったのだと思います。
それでも、ダイビングが楽しくなっていた理由

それでもダイビングを続けられてきた大きな理由は、「安心して潜れる環境」「信頼できる仲間」、そしてなによりも「カメラとの出会い」でした。
私が心掛けていたことは次の通りです。
| 心掛けたこと | 理由 |
|---|---|
| 少人数制で潜れるショップを選ぶ | ケアが行き届いている |
| 慣れるまではガイドとマンツーマンで潜る | 何かあっても他のダイバーを巻き込まない |
| 自分のレベルにあったダイビングポイントを選ぶ | 無理したくなかった |
| 事前にポイントを調べ、ブリーフィングをしっかり聞く | 事前に知る事で予期不安を減らせる |
| カメラを持って入る | 余計なことは考えずに海中に集中できる |
| スキルアップ | 自信がもてる |
さらに、ダイバー仲間のすすめでカメラを持つようになってからは、「怖さよりも、海の中で何か見つけたい」という気持ちが強くなり、自然と視線が前向きになっていきました。
そして、もっと綺麗な写真を撮りたいという欲求が、必然的にダイビングスキルを向上させました。
ダイビング本数100本ぐらいになった時に、アドバンスダイバーコースに進み、ドライスーツ講習も受けました。
されに自信をつけたく、レスキューダイバーにも挑戦。
こうした工夫をするだけで、不安の大きさはかなり変わりました。
人よりゆっくりペースでしたが、目の前のことに集中することで、自然と余計な不安は減り、海に入るのが前よりずっと楽になってました。
ダイビングが心を癒す「理由」と「効果」

海は眺めているだけでも癒されますよね。心理学の分野では、こうした水辺の環境が心に良い影響を与えることを「ブルースペース効果」と呼ぶそうです。
米国の研究では、ただ眺めるだけよりも、実際に海に入り、環境に関わる「没入的な体験」の方が、より高い効果が得られることが示されています。
まさに、ダイビングそのものが「没入」の体験なんですね。
ダイビングが心をゆるめる4つの要素
こうした効果は研究でも示されていますが、実際に私自身が「心が少し楽になった」と感じたのは次の4つの瞬間でした。
1. 呼吸のリズムで心を整える
最初は怖かった水中での呼吸も、慣れてくると自然と「ゆっくり吐く」ことに意識が向くようになりました。
あとから知ったのですが、これは深い呼吸によって自律神経が整いやすくなる状態。
水中での呼吸のリズムそのものが、心を落ち着かせるスイッチになっていたんだと思います。
ふわっと浮いている無重力感も、不思議と安心感につながってました。
2. 感動が、不安を上書きしていく(没入の力)
海の中で出会う魚や、サンゴ礁の景色。
怖さでいっぱいだった頭の中が、「あ、きれい」「あ、可愛い」に上書きされる感覚がありました。
特にカメラを持つようになってからは、「怖い」よりも「何かいるかな?」に意識が向くようになり、気づいたら気持ちが楽になっていたんです。
3.心地よい運動が、気分を底上げしてくれる
無重力のような感覚の中で、ゆったり体を動かす時間は、思っている以上に心にも効いていました。
ダイビングのあと、なんとなく気分が晴れるような感覚があったのは、
体を動かすことで気持ちが前向きになりやすいからなのかもしれません。
4. バディや仲間が、怖さを分け合ってくれる
水中で誰かと同じ時間を共有しているだけで、不思議と安心感があります。
「何かあっても一人じゃない」この感覚は、初心者の頃の私にとって、かなり大きな支えでした。
ダイビングそのものより、一緒に潜る人の存在が、怖さを和らげてくれていた気がします。
科学だけじゃ測れない、私が感じたダイビングの価値

精神状態や体調、服薬状況によっては、むしろリスクになることもあります。ダイビングだけで心の病気が完治する、という話は正直、私は聞いたことがありません。
それでもダイビングに価値があるのは、心理療法でも使われるような次の要素を含むからです。
- 呼吸調整:ゆったりした呼吸で心を落ち着ける
- 没入感:海中の感覚や景色に集中することで雑念が静まる
- 運動:軽い運動が神経化学的に気分を整える
- 信頼関係:バディや仲間とのつながりが安心感を生む
つまり、目的は「治す」ことではなく、心を支え育てる環境になること。
正しく理解すれば、ダイビングは心を壊さず、そっと整えてくれる体験になり得ます。
怖さを乗り越え、自分のペースで楽しむ

ダイビングは、誰にとっても最初から癒しになるわけではありません。
不安や緊張を感じながら潜る時期があっても、 自分のペースで続けていくと、
ある時ふと、
「あ、以前よりちょっと余裕ができたな」
と感じることがあります。
その感覚に気づけた時、
ダイビングはきっと、
あなたにとっての“癒しの場所”になっていくのだと思います。
無理せず「信頼できる人と」「自分のペースで」潜れる環境を選んでみてください。
これからダイビングを始めてみたい方、
不安や疑問を持っている方、
少人数で安心して潜れる環境について知りたい方も、
どうぞお気軽にお問い合わせくださいね。
★参考記事:Diving and Mental Health: What the Research Really Says


