「ウミガメ」はダイビング中に最も会いたい生き物の1つ
ウミガメ達はダイバーのアイドルと言っても過言ではない!
そんな、ダイバーに大人気なカメ達は、約2億5千万年前に祖先のワニ・トリ・恐竜のグループから分かれ、進化したと言われてます。気が遠くなる数字ですよね。
ちなみに、世界最古のウミガメの化石は1億1千万年前。
私達が大好きなウミガメは、長い歴史の中で陸から海を目指し、泳ぐためのヒレや強固な甲羅をつくって現在の姿になったのでしょうウミガメは砂浜で産卵し、赤ちゃんウミガメ達は沖を目指します。オスのウミガメは生まれた時以外、一生のほとんどを水中で過ごすんです。
ここでは、①カメ種類 ②バリ島で見られるウミガメ達と見分け方 ③カメの不思議についてご紹介します。
これを知ってると、ダイビングでカメに遭遇するのが楽しみになりますよ!
カメの種類:ウミガメは首を引っ込ませることができない!
ご存じですか?カメは爬虫類で、南極大陸を除く全ての大陸に356種も生息するんですよ
こんなに沢山の種があるカメたちは、「首を引っ込ませるカメ」と「首を引っ込ませないカメ」の2つのグループに分かれているんです。
①潜頸亜目(せんけいあもく)Cryptodira:首を甲羅の内側にある肩甲骨の間で後ろに引っ込ませる
②曲頸亜目 (きょくけいあもく)Pleurodira:首を横方向に曲げたりするだけで、後ろに引っ込ませない
356種中263種が潜頸亜目(せんけいあもく)に属してます。
我々がダイビング中に見るウミガメ達は潜頸(せんけい)に属してます。
だが、不思議なことに
ウミガメは首を引っ込ますことが出来ないんです。
その代わり、硬い甲羅と丈夫な皮膚で捕食者から身を守ってます。
ウミガメって何種類いるの?
世界にはウミガメ科とオサガメ科を合わせ、7種類のウミガメが生息
【ウミガメ科】
- タイマイ
(英名 Hawksbill:学名 Eretmochelys imbricata) - アオウミガメ
(英名 Green sea turtle:学名 Chelonia mydas)(+クロウミガメ: 学名 Chelonia mydas agassizii ) - アカウミガメ:
(英名 Loggerhead :学名 Caretta caretta) - ヒメウミガメ
(英名 Olive Ridley:学名 Lepidochelys olivacea) - ヒラタウミガメ
(英名 Flatback:学名 Natator Depressa) - ケンプヒメウミガメ
(英名 Komp`s Ridley:学名 Lepidochelys kempii)
【オサガメ科】
- オサガメ
(英名 Leatherbak : 学名 Dermochelys Coriacea)
オサガメは地球上で一番大きなカメで。他のカメのように固い甲羅を持たない。
(参考:National Geographic)
ウミガメってどこに生息してるの?
ウミガメは熱帯から温帯の暖かい地域に生息。
ダイバーが見かけるタイマイやアオウミガメは浅いサンゴ礁に暮し、アカウミガメやオサガメは外洋を回遊いるんです。
ウミガメって何をたべてるの?
生息地が違うと、食べ物も違ってきます。
タイマイはカイメンをボリボリ食べ、アオウミガメは海藻類が好物。
アカウミガメはエビ・カニ類を好んで食べ、オサガメはクラゲを食べて生きてます。
バリ島で見らえるウミガメの種類が知りたいです!
バリ島でよく見られるウミガメの種類とその見分け方
バリでダイビング中によく見られるウミガメ①タイマイと②アオウミガメの2種類。
バリ島のほぼ全てのダイビングスポットでウミガメに遭遇するチャンスはあります。
ヌサペニダ周辺のポイントでは1ダイブに数匹のウミガメに遭遇することもあります!
パダンバイ、アメッド、トランベンなどのダイビングスポットでは、ファンダイビングではもちろん、体験ダイビングの方からウミガメを見るチャンスがあります!
タイマイとアオウミガメの違いと見分け方が知りたい!
タイマイとアオウミガメの見分け方
【タイマイとアオウミガメの違い】:ポイントは①顔つき②甲羅③前額版の配置
【顔つき】
- タイマイはシャープで鋭い顔つき。「鷹の口」とも言われるように、口がとんがってる。
- アオウミガメの顔は丸っこくて、優しい顔つき。
【甲羅】
- タイマイは甲羅はざらざら汚れた感じで、縁(ふち)りがギザギザしている。
- アオウミガメの甲羅はつるっとして、ギザギザが少ない。
【前額板(ぜんがくばん)】 :頭部背面の前方にある鱗板(りんばん)
- タイマイは2ペア(4枚)で後ろの2枚が大きい
- ウミガメは1ペア(2枚)
※カメの鱗板(りんばん)とは、カメの甲羅の表面で、板状の薄い鱗で覆われている。
ちなみに、その下には硬い板状の骨(骨板)がある。

タイマイ:
顔がシャープで口ばしのように尖った口。額版は全部で4枚。後ろの2枚が大きいです。

アオウミガメ:
アオウミガメ:タイマイと比べると、まるっこい顔をしてますよね。額板は2枚です。

タイマイ:
タイマイの甲羅の縁はギザギザしてます

アオウミガメ:
アオウミガメの甲羅はタイマイと比べつるっとしてます。縁にギザギザがあまりないことに気づきましたか?
ウミガメの不思議
ウミガメに歯はあるんですか?
ウミガメは歯がないです。
ただ、赤ちゃんの時だけ歯のような卵角があり、これを使って赤ちゃんカメは硬い殻を破ってふ化するんです。尖った卵角はふ化して数日でなくなってしまいます。
不思議ですよね。
歯が無くてどんな風に食べるの?
大人になったウミガメは歯がないため、硬い口ばしと顎(あご)を使って食べます。
(口ばしの内側に沿って細かい鋸歯状(きょしじょう)になってるんです。)
え!あごを使って何を食べてるの?
アオウミガメは細かい鋸歯状で海草を引き裂き、海の硬い表面から藻をかき取ります。
タイマイも同様、鋭い口ばしを使い海面をバキバキ食べます。(バリではよく見かける姿です)
カニ類を主食としているアカウミガメは強力な顎(あご)で殻の硬い種を砕きます。
クラゲのような滑りやすい獲物を主食とするオサガメは、更に強硬で鋭く尖ったくちばしをもっているんです。
(参考:Do Turtles Have Teeth? The Answer is Complicated)
ウミガメの危機、環境にやさしいダイバーになろう!
環境汚染や混獲(こんかく)が原因で、我々が大好きなカメが絶滅の危機に陥ってます。
特に絶滅の危機にさらされているオサザメは、海に浮かビニール袋やプラスチックのゴミを大好物のクラゲと間違え食べて、何百もの個体が死に至っているそうです。これはオサガメだけに限っての事ではありません。
プラスチックごみを出さない。水中では中性浮力をとり、生物に触らない。
もし、我々ダイバー一人一人が環境にやさしく、マナーを守って接することで、大きな力になります!
私達が大好きなウミガメ達をこれからも守り、楽しくダイビングをしましょう!
参考資料:
【ウミガメの動画】:インスタグラム に沢山の動画をアップしてます!
ムシャムシャ食事中のタイマイや、悠々と泳いでるアオウミガメ!
ウミガメとダイビングしている動画もアップしてま。是非、ご覧ください!